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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
| 2008030005 | 澁澤龍彦 | 夢の宇宙誌 | 1964 | 日本 | 河出文庫 |
評者:発起人 評価:8 読了日:2008/03/23 公開日:2008/03/24
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異端と裏面、エロスへの執着が通俗的な人間理解を破砕する |
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歴史や芸術、広く人間の活動・思想の影というか裏面に焦点をあてて、広大な文献を渉猟し読者に紹介し続けた澁澤龍彦(しぶさわ・たつひこ、1928-87)のエッセイの一冊である。 「玩具について」、「天使について」、「アンドロギュヌスについて」そして「世界の終わりについて」という四篇から成っている。 私にはひとつひとつの引用について真贋を見極める力はない。またすでに四十年前に世に出た書物であり、その後の生物学で得られた知見はここで著者がさまざまに探究している理論を覆す場合もあると思われる。 ひとつひとつの著者の文章については、ただただ感心するのみである。こんな人間がいた、こんな歴史があった、こんな創作があったと驚くばかりである。 著者の蒐集癖とも言えるこだわりと異端や裏面、傍流に寄せる関心の高さは現代の「おたく」にも通じるものがあるような気がする。ただし著者の視野の広さと俗悪な主流文化・権力への反抗姿勢は現代の「おたく」たちにはないものである(と思う)。 「わたしは、この小さな燐光を、古ぼけた神学書や魔法書や、あるいは哲学史や思想史や美術史などのページのあいだから、丹念に拾って集めることを好む奇妙な性癖の持主なのである。煩瑣にすぎると思われるならば、読者よ、寛恕せられよ。」 とんでもありません、すばらしく面白いです。Googleなどが束になってもここまで蒐集はできません。 |