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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
| 2007120003 | プラトン | ソクラテスの弁明・クリトン | -398? | ギリシア | 岩波文庫 |
評者:発起人 評価:7 読了日:2007/12/13 公開日:2007/12/15
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西欧哲学のルーツのひとつ−最も読まれた岩波文庫の一冊 |
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今年創刊80周年を迎え刊行点数5400を超える岩波文庫の中で一番読まれてきたのが本書『ソクラテスの弁明・クリトン』(久保勉訳)だそうである。 古代ギリシアの哲学者プラトン(-427〜-347)が師ソクラテス(-469?〜-399)の裁判での弁明の様子を描いたのが『ソクラテスの弁明』である。ソクラテスは「・・・不正を行い、また無益なことに従事する、彼は地下ならびに天上の事象を探求し、悪事をまげて善事となし、かつ他人にもこれらの事を教授するが故に」、詩人メレトス、商工者アニュトスおよび演説家リュコンにより告発され裁判にかけられた。(ちなみにこれら告発者たちはソクラテスを告発したということのみで歴史に名を残した。) ソクラテスは自己の不評や罪状にひとつひとつ反論する。自己の行為が徳(アレテー)・正義・真実・智慧に基づいたものであり、告発者たちの論理が自己矛盾に満ちていることを暴露する。さらに、もし自分に智慧があるとすればそれは自らが無知であることを知っていることであり、反対に告発者たちは無知であるのにその無知を自覚していないと論難する。 当時のアテナイの裁判は500人以上の裁判員の前で行われ、有罪無罪および有罪の場合の刑の決定は投票で行われた。ソクラテスはその弁明にもかかわらず有罪宣告を受け、さらに刑については最初の宣告以上の大差で死刑判決を受ける。 著作がまったく残っていないソクラテスがどのような人物であったかはプラトンのこの著作などで知ることができるだけであるが、現代日本人の感覚からすると多くの人が嫌うタイプの理屈っぽい老人(当時七十歳を超えていた)という感じはする。真善美徳を説き相手の矛盾を暴露するようにして反論するソクラテスへの反感が当時の裁判員たちの多数をも死刑宣告に賛成させたのである。 告発者たちの面子をつぶし、その論理の矛盾と非倫理性を暴き容赦なく切り込んでくるソクラテスの「弁明」はしかしその後の西欧哲学のひとつのルーツになったものと思われる。西欧哲学の良いところ悪いところが萌芽のように含まれている。 私が「弁明」を読んで感じる同感と反感もけだしその故である。(このケーベル博士に師事したという久保勉(くぼ・まさる)という人の翻訳はさすがに時代がかっているのである。) 死刑判決を受けたソクラテスが獄中で老友クリトンから脱獄を勧められるのが『クリトン』。「国家と国法」に忠実であるためには死を受け入れべきだとこれもまた相手に反論を許さない論理展開で説き伏せるソクラテス。 本訳書が岩波文庫に入って過去80年、150万人以上の読者(もちろんほかの翻訳もあるからもっと多数の読者)はどのような思いでこの本を読んできたのだろうか。 さて下は岩波文庫のホームページから、歴代BEST10のコピーである。うーむ、なんというかハリ・ポタや佐賀のがばいばあちゃんとかセカチューとかより少ないんですけど・・・。
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