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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
| 2007110004 | 京極夏彦 | 邪魅の雫 | 2006 | 日本 | 講談社ノベルス |
評者:発起人 評価:5 読了日:2007/11/17 公開日:2007/11/17
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叙述トリックと楽屋落ちが目立つ−読むのに80日かかりました! |
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ついに読み終えた!古書「京極堂」店主、中禅寺秋彦が奇怪複雑な事件の憑き物を落とす、京極堂シリーズの(現在までの)最新刊、『邪魅の雫』(2006)! 今回の題名になっている邪魅(じゃみ)とは「魑魅乃類なり妖邪の悪気なるべし」、つまり人の邪悪な気分である。たとえば殺意である。そうした邪気を誘発する「雫」が今回の事件で重要な役割を果たす。 複数の登場人物の視点から東京・江戸川、神奈川の大磯・平塚で発生した同じ毒薬(これが邪魅の雫である)が使われた連続殺人事件が語られる: 大磯に住む画家の西田新造、榎木津礼二郎の薔薇十字探偵社の「助手」・益田龍一(元神奈川県警)、平塚の青果店に勤める江藤徹也、東京警視庁で捜査一課から江戸川縁の所轄に左遷されている青木文蔵、長野県警を辞めて大磯あたりに出てきた大鷹篤志そして謎の語り手(どうやら女らしい)−。 最後には関係者を集めて京極堂が事件の真相を暴き出すが、今回はほとんど意外性がなく、しかしやっと整合性を取ったという感じである。 実は、私の枕頭の書である京極夏彦作品だが、この本を読み始めたのは8月末!二ヶ月半以上もかかったのである。読者である私の体調などもあったとは思うが、はっきり言って面白くなかったからである。 通常は楽しい薀蓄部分も今回は帝銀事件や731部隊が中心だが少なく、事件の謎も解き方も弱い。重複記述も多いように感じられ、私は毎晩10ページほどしか読めなかったのである。(=すぐ寝てしまったのである。) ううむ、なぜ面白くなかったのか?これは結局叙述トリックではないか、またこの事件の背後に榎木津礼二郎の縁談が関係している等という楽屋落ち的な部分があまりにも目に付いたことのためか。 次の京極堂作品ではぜひこの沈滞を打ち破ってもらいたいと思う。 |