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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
| 2007100004 | 加藤実秋 | モップガール | 2007 | 日本 | 小学館 |
評者:発起人 評価:4 読了日:2007/10/13 公開日:2007/10/14
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怪しい本−テレビ朝日系同名ドラマの「原作」 |
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怪しい本である。 何しろ巻頭には「企画 東宝株式会社 株式会社SDP」とある。巻末には「本書は、東宝株式会社および株式会社SDPの企画提案をもとに、著者が、タイトル・人物・設定等を考案し、映像化用原作として執筆したものです。」とある。 それなのに、この連作集4編のうち3編は「きらら」という雑誌に連載されていたらしい。 しかも10月12日(金)夜11時15分からテレビ朝日系で始まった同名のドラマ(北川景子・谷原章介ほか出演)の内容はこの本とはかなり違うようである。 まあいいか。 フリーターの「私」=長谷川桃子(22)が応募し即採用された(有)クリーニングサービス宝船は清掃サービスを請け負う会社で、特に事件・事故現場の「わけあり」案件を得意にしている。つまりスプラッター・ムービーのような現場を清掃するのである。 社長は犬マニアで犬に関連した言葉しか口にしないのに、体質的に犬アレルギーである。「現場責任者」の大河内重男(28)は同時に売れない劇団に属していて毎回その時々の役作りに専念している。無口・無表情で遅刻早退無断欠勤常習の大友翔(24)はミステリアスな雰囲気を漂わせている。事務担当の片岡未樹(20)はギャル風というのかとにかく派手である。 しかし「私」も相当にヘンである。時代劇・捕物小説マニアであるばかりか、原因不明の(左耳の)難聴症状がときどき襲う。 そしてこの症状が現れたときに、「私」はほかの感覚が異常に鋭くなる。 「おわりの町」では殺人現場で被害者の視覚を、「赤い衝撃」では自殺現場で「赤いきつね」の味覚を、「ファンハウス」では取り壊し寸前のお邸である嗅覚を、そして最後の「ブラッシュボーイ」では(夏なのに)寒気を感じる「私」は会社の仲間たちとそれぞれの事件の真相を解決していくのである。 「ブラッシュボーイ」ではまだ後がありそうな終わり方をしているので、この作品が好調であればさらに書き続けるということだろうか。 そのほかにもいろいろ濃いキャラたちが登場するが、まあ一言で片付けると、面白くない。テレビ化されてやっと見られるようになるかという程度である。漫画原作のテレビドラマが増えているが、漫画原作風のテレビドラマの原作を狙った書き方とでも言おうか。 「作者」の加藤実秋(かとう・みあき、1966-)は作家デビューが2003年というがはじめて拝読する。おせっかいだが、この手の話ならもう少し文章は短くしたほうがいいと思う。 (その後調べてみると作者には『トゥモロウトゥデイ』(講談社X文庫 Teen`s heart, 1998)という作品がある。それを含めて本作が4冊目のようである。) |