感想文番号

著者 書名 刊行年 刊行国 出版社
2007100001 野矢茂樹 哲学の謎 1996 日本 講談社現代新書

評者:発起人    評価:5  読了日:2007/09/30  公開日:2007/10/03

哲学の謎の謎−わかってたまるか?

 東大教授・野矢茂樹(1954-)による哲学対話編である。

「眼の前に謎は満ちている。・・・哲学とは、なによりもまず、この眼前の謎たちを可視化する技術にほかならない。」

 本書は「二人の私がかけあいで進んでいく形式を」とって記述される。

 最初の謎は「生物が絶滅しても夕焼けは赤いか」である。その後この「二人」の対話が続く。対話は発展し、別の視点から捉えなおされ、そしてときにまた元に戻ったりする。

 これらの会話には過去の哲学者たちの議論・思考が、無数にかつて思考されたように、著者の頭で再び考え直されている。著者独自の観点もあるのだろう。読んでいて、そう言えば最近そんなこと考えたことなかった、いやこのように深く考えることを自分が避けているなと思ったのである。

 こんなこと考えても「答え」は出てこないというのが「答え」なんだろう、いや考えるということは何かを考えなければならないがそれを考えていると認識している私は何かなどと私は堂々巡りを繰り返すのである。

 哲学するというのは何よりも自分や他者、世界(地球という意味ではない)などの根源的な問いを考え続けることであり、そこに苦しさもあり楽しさもあるのだと思う。

 私はとてもその醍醐味を味わうまでにはいたらなかった。わかってたまるかというような感じも受けたのである。

 何しろ浅く広くをモットーとしている私、ほかにもこの種の本にやはり性懲りもなく手を出し続けることだけはたしかである。「再チャレンジ」を宣言しておこう!


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