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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
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2007090005 |
池波正太郎 | 梅安蟻地獄 仕掛人・藤枝梅安 (二) | 1974 | 日本 | 講談社文庫 |
評者:発起人 評価:7 読了日:2007/09/23 公開日:2007/09/24
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安定感増す仕掛人シリーズの第二弾!
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藤枝梅安−普段は品川台町に住む腕のいい鍼医者、しかしその裏の顔は「この世に生かしておいては、ためにならぬ」やつを元締めから金を受け取り殺してゆく仕掛人。あまりにも有名なこのシリーズの第2集である。(ちなみに第1集は『殺しの四人』(1973)) 「春雪仕掛針」では、梅安は元締めの札掛の吉兵衛からの依頼をいったん断る。同じ吉兵衛からの仕事をやり遂げたばかりだったのである。ところが浅草橋場にある馴染みの料亭〔井筒〕に刀傷を負って助けを求めてきた五十代の(当時の基準で)老婦人の恨みを晴らすべく、本間左近という極悪の武士に、浅草のはずれの塩入土手に住む仕掛人仲間の彦次郎とともに独自の判断で仕掛を行う。ところがこの本間左近こそが吉兵衛が依頼したかったターゲットだったのである。 「梅安蟻地獄」では、梅安は小杉十五郎という浪人と知り合う。十五郎が殺そうと決意していた山崎宗伯という男と梅安を間違えたのである。いっぽう梅安が元締めの吉兵衛から請け負った伊豆屋長兵衛という男はこの宗伯と切っても切れぬ間柄にあった。今回の起り(依頼人)はしかも幕府権力の中枢に近いところにいるらしい・・・。 「梅安初時雨」では前作で仲間となった小杉十五郎が属していた浅草・元鳥越の牛堀道場の後継者に前道場主の遺言により指名される。十五郎は先輩格の門人たちに命を狙われる身となり、江戸を出る決意をする。いっぽう梅安は大坂の元締め白子屋菊右衛門から仕事の依頼を受けていた。東海道を上る途中で牛堀道場の門人たちとの戦いが繰り広げられる。梅安の育った藤枝宿では泣かせるシーンも用意されている。京での仕掛(なんと場所は二条城である)を終え、十五郎は菊右衛門に預け、江戸に戻る梅安と彦次郎であった。 「闇の大川橋」では御用聞き(=目明し)の豊次郎が大川橋上で殺される。通りがかりの梅安が瀕死の豊次郎を医者まで運んだが間に合わなかった。どうやら豊次郎が追っていた相手は「アベ」というらしい。そして音羽の半右衛門という元締めから梅安に依頼された仕事は「安部長門守(ながとのかみ)と主税之助(ちからのすけ)」の親子。長門守は将軍の「御用取次」(首席秘書官みたいなもの)を勤めている。この安部父子の悪行と驚愕の真相は? 前作に比べて安定感を増し、旨そうな料理の描写も垂涎ものである。ターゲットもスケールアップしている。しかしこのシリーズ最大のテーマというべき金をもらって人を殺すという仕掛人の倫理的葛藤については今回は影を潜めているように思える。 さて第3作『梅安最合傘 仕掛人・藤枝梅安 (三)』(1977)にはいつ取り掛かれるか。 |