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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
| 2007070001 | 京極夏彦 | 後巷説百物語 | 2003 | 日本 | 角川文庫 |
評者:発起人 評価:10 読了日:2007/07/02 公開日:2007/07/03
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シリーズ第三弾は・・・京極堂シリーズと接続!−直木賞受賞作 |
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この巷説百物語シリーズは、『巷説百物語』(1999)→『続巷説百物語』(2001)を経て、この『後巷説百物語』(2003)でついに京極堂シリーズと接点を持ち始めた!驚きである! 前作から数十年を経過し、時はすでに文明開化の明治十年。警視庁巡査の矢作剣之進(やはぎ・けんのしん)、元北林藩士で今は貿易商社に勤めている笹村与次郎、旗本の次男坊で洋行帰りの倉田正馬(しょうま)、与次郎と同じく北林出身で現在は町道場を開いている渋谷惣兵衛の四人は何かあると集まっては怪異現象について古今の文献を読み、議論をしている物好きたちである。 この四人が行き詰ると訪ねるのは薬研堀界隈に九十九庵という閑居を構える八十過ぎの一白翁(いっぱくおう)と称する老人である。遠縁の娘であるという小夜(さよ)が同居している。 この老人こそ、山岡百介なのであった。若いころ各地を廻っては不思議な話を収集し、「小股くぐりの御行又市」たちの仕掛けに利用され、共感し、協力もしたが結局は住む世界が違うと「戯作者」として生きていくことを決意した百介である。 四人に対して一白翁は古今東西の文献はもとより、みずからが各地を巡って収集した話や実際の体験を語る。すででにこの世にはいないはずの又市たちが仕掛けた仕事である。 そして過去の事件と剣之進が持ち込む明治の事件が接点を持ち始める。「赤えいの魚」、「天火(てんか)」、「手負蛇」、「山男」、「五位の光」そして「風の神」の全六篇 ではまだ語られていなかった又市たちの仕事と明治十年の事件がつながっていく。特に最後の二編では京極堂シリーズに登場する人物の先祖たちが姿を見せ、重要な役割を果たしているのである!さらに謎めいた小夜の過去も明らかになる。 「風の神」ではついに百介自身が主導権をとって、又市ならこうしたであろうという仕掛けをほどこす。私が読んだばかりの『真景累ヶ淵』を創作した名人・三遊亭円朝(1839-1900)も登場する! 京極堂シリーズとか巷説百物語シリーズだとかを超えた京極夏彦という作家の世界がさらに広がり、読むものに感動と知的満足を与えるのである。遅すぎたがこの作品は直木賞受賞作である。 |