感想文番号

著者 書名 刊行年 刊行国 出版社
2007050005 清涼院流水 パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.1 One Ace〜ひとつのエース〜 2007 日本 講談社BOX

評者:発起人    評価:6   読了日:2007/05/25  公開日:2007/05/27

京都と英語の達人に?−清涼院流水の「大河ノベル」第一弾!

 2007年1月から12ヶ月連続刊行予定の清涼院流水(せいりょういん・りゅうすい、1974-)による「大河ノベル」第一弾である。

 語り手の「ぼく」=一角英数(いっかく・ひでかず)は京都に住んでいる。10年前小学4年生のときには、まさに完璧な世界=パーフェクト・ワールドに生きていた。少年野球の4番でエースだったのだ。英数→「えいすう」→「エース」と監督に呼ばれていたのだ。

 しかし「ぼく」は事故で下半身の自由を失い、車椅子に頼る生活を送っている。「なんて不完全なんだ、この世界は!」

 父の一角醍醐(いっかく・だいご)はそんな「ぼく」に「魔法のコトバ」=「キャナスピーク」を教えてくれた。「キャナスピーク」、うーむ、簡単に言ってしまえば慣れない、難しい発音記号をカナで表して練習し、ネイティヴに近づいていこうというものである。(最初からカナなんて使わなければいいと思うのではあるが・・・)

 その甲斐あってか今では週に三回英語の家庭教師をしているほど英語は上達している。そんな「ぼく」の家にホームステイして京都大学に通うためにアメリカから1年間の予定でやってきたのがレイ(Raymond Quartz)という好青年だった。

 ほとんど英語を学ぼうとしなかった母の一角数代(いっかく・かずよ)もレイの日本語学習の決意とその好青年ぶり(なんとか王子という感じですね)のため英語(キャナスピーク)を学ぶ決心をする。

 つまり「ぼく」や「母」が学んできた「キャナスピーク」を通じて読者も英語の知識が身につく。

 それだけではなく、レイを京都の名所に案内するため、またレイの失踪した父親の手がかりだという"Oneness"(ワンネス)を求めて二人は京都じゅうをめぐるのである。つまり京都という都市の地理や歴史がわかるという仕掛けである。

 この『Book.1 One Ace〜ひとつのエース〜』では京都駅、京都タワー、碁盤状の京都の通りの名前、地下街ゼスト(Zest)御池などが紹介されている。

 しかししかし、この「大河ノベル」、英語と京都だけでは終わりそうもない。好青年そのものに見えるレイにもいろいろ秘密がありそうだし、1日に1分間だけ「−変身」と唱えると車椅子を離れて超人的な活動できる「ぼく」の「体質」の謎もあるし、御池通りの花屋のお姉さんや「ぼく」が変身をするたびに表れるという人物、レイが叫ぶ「ニシオ!」の謎(これはバレバレか)など、清涼院流水はさかんにこのBook.1で伏線を張り巡らしているようだ。

 作者がどこまで挑むかはわからないが千年の都・京都にも巨大な謎が隠されているのでは?

 さあ、『Book.2 Two to Tango〜タンゴを踊るふたり〜』に突入だ!いや実はこれももう読み終わったんだよね。感想文は後日!


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