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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
| 2007030002 | 青山七恵 | ひとり日和 | 2007 | 日本 | 河出書房新社 |
評者:発起人 評価:8 読了日:2007/03/04 公開日:2007/03/07
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「私」の自立と選択を淡々と描く正統派小説−第136回芥川受賞作 |
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「私」(知寿=ちず、20)は遠い親戚にあたる「吟子さん」(71)が一人で住む家で居候を始めた。高校教師をしている母が中国へ単身赴任したことがきっかけ だった。 東京の私鉄の小さな駅のプラットフォームがすぐ近くに見える小さな平屋で二人は生活を始める。「吟子さん」の日常生活そしてときどき語られる過去は「私」に自分の「若さ」を意識させる。 「私」はバイトをし、付き合っていた「陽平」と別れ、「藤田くん」を好きになる。勉強をする気はない。「吟子さん」の「ダンス友達」の「ホースケさん」やバイト先の人たち 、そして一時帰省した母とのぎごちない、決して深くはならない関係が淡々と描かれる。 「私」は何をしたいのだろうか?このまま保護される子どもと大人の中間のような存在でいたいのだろうか?そんなことが許されるはずもないことを感じている「私」は限られた選択肢の中からとにかく選択をしていくのである。 その選択がいい方向に導くのか悪い方向に向かうのかそれはわからない。しかし「私」は「吟子さん」や「母」よりおそらく長いときを暮らしていかなければならないのだ。 「吟子さん。外の世界って、厳しいんだろうね。あたしなんか、すぐ落ちこぼれちゃうんだろうね。」 「世界に外も中もないのよ。この世は一つしかないでしょ」 奇をてらったようなところはなく、どちらかというと地味な作品である。普遍的な主題を正統な文体で描いた日本の小説伝統に忠実な作品なのである。 この作品で作者の青山七恵(1983-)は第136回芥川賞を受賞した。 |