感想文番号

著者 書名 刊行年 刊行国 出版社
2007020008 レイモンド・チャンドラー 高い窓 1942 アメリカ ハヤカワ・ミステリ文庫

評者:発起人    評価:6   読了日:2007/02/26  公開日:2007/02/27

マーロウが活躍する長編第三弾−盗まれた金貨と連続する殺人

  ハード・ボイルドの巨匠、レイモンド・チャンドラー(1888-1959)が1942年に発表した作品である。あまりにも有名な私立探偵、フィリップ・マーロウが登場する長編小説7作の3作目にあたる。

 パサデナに住む未亡人、エリザベス・ブライト・マードックから「私」(マーロウ)への依頼は、盗まれた貴重な金貨を取り戻し、その金貨を盗んで消えたというリンダと家に残っている息子・レズリーを離婚させたいというものだった。

 「私」はマードック夫人、秘書のマール・デイビス(♀)、そして息子のレズリーの言動からこの暗い家に潜む秘密を感じる。捜査を開始したマーロウはそこここで妨害・警告・脅しを受ける。それだけでなく私立探偵を名乗った若いジョージ・アンソン・フィリップス、コイン商のイライシャ・モーニングスターの他殺体を発見し、警察からは疑われる。

 コインの行方は?二人を殺したのは誰?そしてさらに第三の死体が・・・。

 うーん、どうもね、いまいちでした。ロサンジェルスという悪と富(貧困)と欲望が渦巻く都会でそれでも筋を通して行動と思考で事件を解決していくマーロウはどうもかっこよすぎる=都合がよすぎるのである。

 あるいはハードボイルドというのは結局アメリカという風土にだけ似合うもので湿っぽい日本人である私には嘘臭く感じられるということかもしれない。

 このハヤカワ・ミステリ文庫版、病と闘いながら新訳に挑み、完成間際で亡くなった(1988年)清水俊二の遺作(戸田奈津子が補訳している)なのだが、英語の教科書を学生が翻訳しているように感じるところや意味が取れないところが多いのは残念である。(私だけか??)


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