感想文番号

著者 書名 刊行年 刊行国 出版社
2007020005 京極夏彦 どすこい。 2000 日本 集英社文庫

評者:発起人    評価:7   読了日:2007/02/13  公開日:2007/02/18

ああっ、京極様のイメージが崩れてしまう!−お笑いお相撲小説

 京極夏彦が2000年に単行本『どすこい(仮)』として、2002年に新書版『どすこい(安)』として刊行されたものの最終形(?)、文庫版『どすこい。』(2004)である。

 端正・理知的・博識で悪魔的なイメージでファンを集めてきた京極夏彦(それは小説の中の京極堂こと中禅寺秋彦のイメージとも重なっていたのだが)が、一気にお笑いの世界に突入してしまった画期的作品である。

 その兆候はあった。京極堂シリーズの準主役・榎木津礼二郎をフィーチャーした『百器徒然草−雨』(1999)では事件の解決自体に駄洒落が潜んでいたし、ドタバタ喜劇の要素が前面に出てきてはいた。

 しかし・・・、この作品、駄洒落とパロディの連続である。しかも、題材がお相撲さん!ときてはファンは発表当時驚いたに違いない。目次を見ると、

「四十七人の力士」新京極夏彦/「パラサイト・デブ」南極夏彦/「すべてがデブになる」N極改め月極夏彦/「土俵(リング)・でぶせん」京塚昌彦/「脂鬼」京極夏場所/「理油(意味不明)」京極夏彦/「ウロボロスの基礎代謝」(両国踏四股)!

 内容はともかくすべてベストセラー作品から題名を拝借している。さらにたとえば「四十七人の力士」の「作者」、新京極夏彦は次の「パラサイト・デブ」の作中人物であり、その「作者」の南極夏彦は「すべてがデブになる」の作中人物であり・・・というメタ構造になっている。

 おもしろいよ。でもここまでやったのならもっと徹底的にやって欲しい。巻末の解説漫画に負けないで「どすこい 2」をぜひ希望!


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