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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
| 2006120003 | ディック・フランシス | 標的 | 1990 | イギリス | ハヤカワ・ミステリ文庫 |
評者:発起人 評価:7 読了日:2006/12/26 公開日:2006/12/26
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競馬といえばディープインパクト |
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が引退したが、引退せず競馬界を背景にしたミステリーを書き続けているのが旗手出身のディック・フランシス(1920-)。この作品『標的』(1990)は29作目にあたる。 作家を目指している「私」(ジョン・ケンドル)は今までサヴァイヴァル用のガイドブックを6冊書いたが、初の本格的な小説の出版が決まったものの、食いつなぐ金が無く、極貧生活を続けている。 そんな「私」に出版エージェントから持ち込まれた話が、調教師、トレメイン・ヴィッカーズの伝記を住み込みで書くというものだった。「私」はこの話に飛びつき瞬く間にこの偉大な調教師や癖はあるが個性的な「ファミリー」、隣人たちになじんでいき信頼を得てゆく。また「私」も馬とそれを取り巻く競馬界の人たちに魅かれていくのである。 ところが、このトレメインと仲間たちには暗い影が忍び寄る。失踪していた厩務員(馬のお世話係?)の若い娘、アンジェラ・ブリッケルの白骨化した死体が発見されるのだ。骨の状態から扼殺であることが判明する。 さて犯人は?警部のドゥーンが粘りつくように捜査を進め、「私」も唯一の第三者として警部にも信頼されるのだが・・・。やがて第二、第三の殺人の企てが・・・。 とにかくディック・フランシスの小説の主人公はひどい目にあう場合が多い。特に肉体的苦痛を加えられ、死んでしまったほうがいいというほど苦しい目にあうのである。本作品での「私」も何者から酷い肉体的暴力を受けるのである。 しかし自分がサヴァイヴァル読本で書いたことをひとつひとつ思い出して打撃を最小に、生き延びる確率を高め、何よりも生きる意志を持ち続ける。 犯人と事件の真相は驚愕!というほどではないが、それなりに納得はできる水準に達している。少々家父長主義的傾向がないこともないが、1920年生まれの著者に免じてそこは大目に見よう。リアリティに欠けるのはやはり動機の部分であろうか。 |