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著者 書名 刊行年 刊行国 出版社
2006120001 京極夏彦 塗仏の宴 宴の始末 1998 日本 講談社文庫

評者:発起人    評価:7   読了日:2006/12/13  公開日:2006/12/13

過去の資産の有効活用か、妖怪趣味に走りすぎたか

 などと言っても、やはり京極夏彦(きょうごく・なつひこ、1963-)、傑出しているのは間違いない。しかしなにしろ前編となる『塗仏の宴 宴の支度』(1998、講談社文庫)とあわせて文庫版で2000ページを超える、長いので有名なこの京極堂シリーズの中でも最長作品である。

 登場人物も「団体」も増えて、寝る前に読む本としては複雑すぎたか。

 しかも、え?京極堂が乗り出したはいいが、何も事件は起きていない?これは「ゲーム」だ??拉致された妹の敦子、失踪した準主役級の警視庁刑事・木場修太郎、そして探偵・榎木津礼二郎はどこに?

 急激な展開で、ほとんどの登場人物たちは伊豆山中の消滅した村(戸人村=へびとむら)へ向かう。不老不死の「くんほう様」=「ぬっぺっぽう」は実在するのか?「ゲーム」をしかけたのは誰か?そして最後の驚くべき解決(になっていないという気もするが)は?

 結局「塗仏」とは何なんだ?

 うーむ、さすがの超絶技巧派もこれだけ広げすぎた大風呂敷をきれいに畳むというわけにはいかなかったか?京極堂自身の過去が大きな意味を持つこの作品、「京極堂ファミリー」は敵・味方を問わずますます増えてきて、次作以降にも登場することが示唆されて一応の幕は降りるのだが・・・。

 妖怪談義はますます専門性を高めて、妖怪研究家・多々良先生というキャラも登場するが、京極堂の舌鋒はいささか鋭さに欠ける。過去のシリーズ作品の貯金をできるだけ食い潰さないようにして、同時に新キャラも多数登場させるという戦略で次作以降にさらに興味をつなぐということには成功している。

 さて、しかし、私の枕元本、引き続き京極夏彦で行く。

 次は『百鬼夜行−陰』(1999、講談社文庫)だ。 


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