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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
| 2006100002 | 山田宗樹 | 嫌われ松子の一生 | 2003 | 日本 | 幻冬舎文庫 |
評者:発起人 評価:3 読了日:2006/10/11 公開日:2006/10/11
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美人教師の転落の軌跡を描くが・・・映画化に続いてTBS系でドラマ化 |
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明日10月12日からTBS系で放映が始まる同名の連続ドラマ(内山理名、要潤、小池栄子など出演)の原作。やっと今日読了、感想文を載せることができた。 一言で言えば福岡県大川市の大野島で育ち国立大学を卒業、地元の中学校の若い美人教師であった川尻松子が、さまざまな変転を経験し、最後は孤独で凄惨な死を迎えるまでを描いた作品。 東京に住む大学生川尻笙はある日突然父・紀夫の訪問を受け、今まで存在さえ知らされなかった叔母・松子(紀夫の姉)の死を知らされる。一人住まいのアパートで内臓破裂を負うほどの暴行を受け殺されていたという。笙は恋人の明日香とともにわずかの手がかりから松子の一生をたどっていく。 よくある手だが、笙が過去を追いかけるパートと松子が「一人称で」(!)語るパートが交互に描かれる。 警告!☆ ここから先はネタに触れる危険性がありますので自己責任でお読みください ☆ 期待の美人教師→窃盗の嫌疑をかけられての辞職・家出→水商売→太宰治の生まれ変わりと信じる文学青年との同棲→その文学青年の自殺→その友人との不倫→「トルコ風呂」(今でいうソープ・ランドですね)ナンバーワンに→また悪い男にだまされシャブ(覚せい剤)づけに→その男を殺す→太宰が心中した玉川上水で理髪店店主に拾われ、同棲・結婚を約束→殺人罪で逮捕・有罪→女子刑務所で美容師の技術・資格を身につける→出所→シャブの売人となった元教え子との邂逅・同棲・・・といろいろあって結局は昔の面影もない孤独な女として殺されるのである。警告解除! これはいったい何だろう?「あの人は今?」的な下劣な趣味に照準をあわせているのか?売春や覚せい剤、女子刑務所の世界を知りたいというこれまたあまり上等とは思えない読者のニーズに答えようとしているのか? 別にミステリーもない、考えさせるセリフもない。知的興奮もエロスもない。 私の結論は、これは映像化作品を見たほうが本を読むより(おそらく)面白いということである。ドラマ化の前にTBS映画制作で映画化もされている(2006年5月公開、中谷美紀主演)。この作品、イメージを喚起する文章力や迫力にも欠けているのである。内山理名がソープ嬢役に挑戦!などという視点で見たほうがおもしろいに決まっているのである。 いったいなぜ松子は自ら好むかのようにして転落の道を転げ落ちていったのか?そのほうが面白いと作者の山田宗樹(やまだ・むねき、1965-)が考えたからか?幻冬舎編集部がそのように誘導したからか?松子は(いやほかの登場人物も)精神的には薄っぺらな子ども時代から一歩も成長していないのである。 |