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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
| 2006020003 | 真保裕一 | 繋がれた明日 | 2003 | 日本 | 朝日文庫 |
評者:発起人 評価:5 読了日:2006/02/19 公開日:2006/02/19
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現代の罪と罰を綿密な取材を基に丹念に描く−NHK土曜ドラマ原作
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3月4日〜3月25日まで放送予定のNHK土曜ドラマの原作である。(出演は、青木崇高、杉浦直樹、吉野紗香、銀粉蝶ほか) 中道隆太(なかみち・りゅうた)は十九歳のとき、自分の恋人をからかった男、三上吾郎(みかみ・ごろう)二十一歳をナイフで刺殺した。裁判では目撃者は嘘をついて最初に手を出したのが三上であるとは証言しなかった。殺人罪で五年から七年の有期刑を受け、少年刑務所に入れられた隆太は罪の意識を感じながらいっぽうで不公平感を感じていた。 六年が過ぎ、隆太は仮釈放される。塀の中であこがれていた自由はしかし現実の前でもろくも崩壊する。家族は家を売り払って被害者遺族への賠償金にあてていた。世話してもらった勤務先や借りたアパートの周りに、隆太の過去を暴くビラが撒かれる。妹の朋美は付き合っていた会社の御曹司の息子から交際を体よく断られる。 殺人犯は塀の外に出ることを許されても一生罰を受けなければならないのか?隆太は何度も自問し、保護司の大室に励まされながらこの問題を考え続け、ビラを撒いた「犯人」を捜す。 現代の未成年による犯罪、仮釈放制度、被害者の側の無念、総じて言えば罪と罰を綿密な取材と生真面目ともいえる主人公の行動と思索を通じて描いた作品である。 しかし、真保裕一(しんぽ・ゆういち、1961-)のこの作品にはいまいち華が無いなあと感じるのは私だけではないだろう。もちろん派手な回転や捻りを効かせる作品ばかりでは疲れるが、この作品のように真面目がとりえです、というようなものばかりでも通勤読者にはこたえる。これだったらドストエフスキーでも読み直したほうがいいのではないかと考えたのである。 ちなみにこの本のタイトルは『繫がれた明日』が正しい表記であるが、Webでは『繋がれた明日』と表記されている場合が圧倒的なので、私もこの略字体に倣うことにした。 |