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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
| 2006010004 | 芦原すなお | 青春デンデケデケデケ | 1991 | 日本 | 河出文庫 |
評者:発起人 評価:8 読了日:2006/01/17 公開日:2006/01/18
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田舎の高校生たちが熱中したロックバンドの物語−瀬戸内の海のように穏やかで懐かしい
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1965年、香川県観音寺第一高等学校に入学する前の春休み、「ぼく」藤原竹良(ふじわら・たけよし、「ちっくん」)はベンチャーズのPipelineを聞いて衝撃を受ける。教師の子どもだった「ぼく」はバイオリンを習っていたのだが、 「やっぱり電気ギターでないといかん!」 とロック(というか「ポップス」)をどうしてもやりたいと思ったのである。。 楽器が、そしてなによりも仲間が必要だ。 「ロイ・オービソンみたいな四角い黒縁の眼鏡をかけた」白井清一(リード・ギター)、「お寺の子」だが実質的にはすでに住職の仕事をこなしている世慣れた合田冨士夫(ベース)そして、岡下巧(ドラム)が仲間に加わった。楽器は 夏休みにバイトをして買った。 三年生の文化祭の最後のコンサートまで四人は楽しく、とくに「ぼく」はほかの事は(ほとんど)すべて忘れてバンドに熱中するのである。 でもロックなのに、ビートルズやローリング・ストーンズの曲もやるのに、この四国の四人組、「ロッキング・ホースメン」は「不良」なのではなくしごく純情な青年たちなのである。かれらだけではない。家族もそのほかの同級生も、まわりの大人たちもみんな純真で、この四人組が 演奏する「ポップス」の曲の数々とはあまり関係なくのんびりとした香川弁(讃岐弁?)で会話をし、心を通いあわせているのだ。 教師と生徒、親と子、金持ちと貧乏人、男と女、職業の差の違いはあっても、 趣味も性格も違っても、みんな「ロッキング・ホースマン」の演奏に惜しみない拍手を送る。悪人は登場しない。地域社会は分裂していない。瀬戸内ののんびりした海とその上に輝く太陽のように暖かいのである。 ほんとにあったかどうかは知らねども、古き良き時代の青春を作者は当時のヒット曲の数々にのせて読者に贈ってくれたのだ。本書で作者は第105回直木賞を受賞している。ここに登場する曲を知らないという読者には、大林宣彦監督による映画(1992)もある。(未見) |