|
感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
| 2005110002 | 山田真哉 | さおだけ屋はなぜ潰れないのか 身近な疑問からはじめる会計学 | 2005 | 日本 | 光文社新書 |
評者:発起人 評価:6 読了日:2005/11/2 公開日:2005/11/4
|
地味な学問がついにスターを送り出した!
|
|
私も大学で「会計学」の単位を取ったことがある。米国の大学院ではアカウンティング(会計学)はあわせて3教科も単位を取った。 にもかかわらず私の会計学の知識レベルはまったく素人同然である。大学での「会計学」の先生はマルクス経済学系だったので実務は教えてくれず、日本の会計制度がいかに独占資本の利潤を隠蔽し、税を逃れる構造に貢献しているか等の授業だったように覚えている。 また米国でのアカウンティングは当然すべて英語なので実務経験の無い私は、英語での専門用語を日本語ではなんというかまったくわからないまま今ではほとんど忘れてしまったのである。 会社生活では「経常利益」だ、「当期利益」だの目標を掲げ、「PLはどうなんだ?」、「これからはキャッシュフロー重視でいく」などとわかったフリをしているが、実は全然わかっていないのである。 会計学をわかっている人は会計士とか会社で経理や財務をやっている人しかいないのではないか。 しかも実に地味な学問である。マーケティングのような華麗さもなければ、法律学のような力も無い。いつも下を向いて電卓やパソコンに向かい、製造部門や営業部門をいじめる資料を作り、経営陣や人事部門に提供してはひそかな快感に浸っている、そんな暗くて小心で細かい性格の奴に向いている学問なのではないかというイメージがある。いや、あくまでもイメージだが。 そのようなイメージ一掃に大きく貢献したのがこの100万部突破の大ベストセラー『さおだけ屋はなぜ潰れないのか 身近な疑問からはじめる会計学』(2005)の著者、山田真哉(やまだ・しんや、1976-)である。 若くて、明るい。話題の提供力も高い。題名からして従来の会計学入門書の常識を覆している。しかし、それでいて書かれていることは非常にまともであり、知らず知らずのうちに会計も勉強してみようかな、あるいは家計に会計学を応用すればこうなるのかなどと考えさせるものを持っている。 日本公認会計士協会はぜひこの著者を表彰すべきである。 |