感想文番号

著者 書名 刊行年 刊行国 出版社
2005080005 赤川次郎 三毛猫ホームズの駆落ち 1981 日本 角川文庫

評者:発起人    評価:5   読了日:2005/08/15   公開日:2005/08/15

三毛猫ホームズシリーズ第5弾

 

 この読書感想文サイトをやっていて、後ろめたい気持ちになるのはシリーズものの感想文である。シリーズもので次も読んでみようなどと書いていっこうに読まないシリーズがどんどん溜まってきている。

 これではいかんと思い、赤川次郎(あかがわ・じろう、1947-)の国民的シリーズ、三毛猫ホームズに再挑戦した。第二作『三毛猫ホームズの追跡』(1979)の感想文を2003年11月に公開してからほぼ1年9ヶ月ぶりに手にした本作『三毛猫ホームズの駈落ち』(1981)。私が読んだ角川文庫版の裏表紙には『三毛猫シリーズ』第三弾!と書かれている。

 ところが、読んだあと調べてみると、実は『追跡』とこの『駈落ち』の間には『怪談』(1980)と『狂詩曲(ラプソディー)』(1981)が発表されているのであって、この『駈落ち』は第5作なのであった!まあ、いいか。

 主人公の三毛猫ホームズ、飼い主で女と血と酒に弱い(という点ではハードボイルドの対極にいますね)警視庁捜査一課刑事・片山義太郎とその妹の晴美、そして目黒署刑事で晴美に思いを寄せている石津刑事(どうやら3作、4作で晴美との仲は少々進行したような気配もある)などのレギュラー陣は健在である。

 今回は『ロミオとジュリエット』ばりの駈落ちを背景にした殺人事件である。十二年前、互いに対立する片岡家の長男・義太郎(当時17歳)と山波家の娘・晴美(当時14歳)は川に身を投げて心中を図ったが死体も発見されなかった。

 ところが両家の故郷で片岡家と山波家の息子同士がお互いに刺し違えて死ぬという事件が発生する。さらに片山兄妹を失踪した片岡義太郎・山波晴美だと間違える両家からの使いの者(同じファーストネームなんだからね)、そして医師の倉橋、県警の杉田など関係者が東京に集結する。

 しかし駈落ちした二人は実はその後別れ、別々の家庭を築いていたのであった。そこに発生する片岡家の次男・秀次郎の死、義太郎の妻・令子を自殺と見せかけて殺そうとする事件、山波晴美の夫・三浦殺し、と動機も手法もつかめぬままに事件が頻発する。

 犯人は?エレベーターや密室のトリックは?

 けっこう人がたくさん死ぬのであるが、最後はなんとなく明るく終わるのもこのシリーズの特長で、純粋に推理ゲームと登場人物のキャラを楽しめれば文句なし。さて続きはどうしようか?


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