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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
| 2005040004 | 新堂冬樹 | 吐きたいほど愛してる。 | 2005 | 日本 | 新潮社 |
評者:発起人 評価:4 読了日:2005/04/05 公開日:2005/04/06
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眼にモザイクをかけて読みましょう!−新堂冬樹の血塗れの世界
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大阪出身で闇金融の経歴があるという新堂冬樹(しんどう・ふゆき、1966-)による作品集。私ははじめて拝読する作家である。 全部で4作が収められていて、すべて「小説新潮」に発表されたもの。全体のタイトルだけ見るとちょっと過激な純愛小説か何かと勘違いしかねない。だが、読んでみると、文字通り吐いてもオッケー、そういうの大好きという人以外はあまり想像力を働かせないで軽く流し読みするのがいいのではないかと思ったのである。 「半蔵の黒子」では、毒島半蔵(ぶすじま・はんぞう)という社会から落伍した中年男の恐ろしい妄想と犯罪が描かれる。この男の醜悪さとホラー映画真っ青の死体描写! 「お鈴が来る」は、「私」の浮気を知った妻の精神崩壊がテーマである。妻はものを食べず、自らの髪を引きむしり、「私」に腐った刺身やゴキブリを食べさせようとする・・・。うう、これもゲロまみれ作品だあ! 若い会社員の「僕」がアパート前で傷ついていた女の子を救ける話「まゆかの恋慕」は途中まではおおこれはひょっとして純愛かと思わせて、ああっやっぱり血塗れだったあ!文字通り痛いぞっ〜! そして最後の「英吉の部屋」では語り手の「私」(英吉)は寝たきり老人である。娘夫婦に虐待を受けている。「私」は過去を回想していくが・・・。あーこいつ(英吉)もとんでもない野郎だった! とにかく登場人物たちの妄想がこの小説世界を覆ってしまう。もっともらしい精神医学的解説がついている作品もある。しかし、私は思うが、いったいこんな血とゲロにまみれた小説、読んで面白いと思う人がいるのだろうか?いてもいいのだが、私は御免である。(そうであれば読まなければいいのであるが・・・。) 文章はうまい。設定も各編それぞれにリアルであり、プロットの展開もスムーズである。だからこそあまり集中して読むとこの血・内臓・吐瀉物等々にまみれた世界に巻き込まれてしまうのである。でもそんな世界って実は有りそうに見えてこのような設定ではあんまり無いと思うのである。そう希望する。 |