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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
| 2005040002 | 星新一 | マイ国家 | 1968 | 日本 | 新潮文庫 |
評者:発起人 評価:8 読了日:2005/04/04 公開日:2005/04/04
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品の良い閃きと諦観に満ちた鬼才の作品集
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星新一(1926-1997)の作品集。表題作の「マイ国家」を含め31篇の作品が収められている。 もちろん出来不出来はあるがどの作品もこの作家特有の鋭い閃きと適度な品の良さで満たされている。そして、これは『おせっかいな神々』(1965)を読んだときにも感じたことだが、個人の意図とは無関係にランダムな結果を生み出すこの世界への諦念が嫌味にならない程度に絶妙のブレンドで隠し味として混ぜ合わされている。 しかしなにしろショートショートという小説形式であるから一篇ごとに感想を書くわけにもいかない。この新潮文庫版の解説で常盤新平が書いている。 「いい小説と悪い小説を選別してくれるのは、批評家ではなく、時間だという気がしてくる。とくに、星新一の小説には、批評家も解説屋も不要である。それが不要であることの証明が星さんの数々のショートショートではないか。」 それなのに解説を書いている常盤新平は何なんだということはさておき、私のような市井の読者には当然これ以上言うことはないのである。 それでは芸がないので、表題作の「マイ国家」の登場人物のひとりが政府というものについて一席ぶつところから引用しておく。 「政府とは、ていさいのいい一種の義賊なんだな。しかも、おっそろしく能率の悪い義賊さ。大がかりに国民から金を巻きあげる。その親分がまずごっそりと取り、残りを、かわいそうな連中に分けてやれと子分に命じて渡す。上から下へ子分どもの手をへるうちに、みるみる少なくなる。末端まで来る時には、すずめの涙ほどになる。それを恩に着せながら、貧民や病人や気の毒な人にめぐんでやるというしかけだ」(p268) 21世紀のわが日本政府は「義賊」から「義」の字を取り外しつつあるようではあるが・・・。 |