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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
| 2005030010 | 半村良 | 妖星伝(六)人道の巻 | 1980 | 日本 | 講談社文庫 |
評者:発起人 評価:6 読了日:2005/03/29 公開日:2005/03/30
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鬼道衆たちが消えた!一揆侍・栗山定十郎とお幾の平和な日々−フェイドアウト気味の第六部
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『(五)天道の巻』(1979)ではかなりテンションが高まったのであるが、この第六部では鬼道衆をはじめ主要登場人物のほとんどは姿を消してしまう。そして各地の一揆を成功に導くことを使命として戦っていた一揆侍・栗山定十郎と鬼道衆でありながらひとりこの地球に残されたお幾が主役を務める。 信濃・上田藩での一揆の様子が詳細に描かれる。百姓たちの犠牲を最小にし、団結を固めるためのいわばサポート役として栗山はお幾、栗山に魅かれた若い浪人、木村新一郎とともに活躍する。 しかし栗山はすでにこの長い物語の初期、お幾とかつては彼女と暮らした医師・桜井俊策とともに紀州の「胎内道」ををめぐり、この地球の本質と進化の方向を知ってしまっているのだ。つまり一揆が実は何の役にも立たないことを知っている。基本的な歴史の方向性を知ってしまっているのに、自分にできることはあるのか? 栗山は一種の悟りの境地に達するのである: 「つまり、俺たちは所詮この世に生を享けた者だから、どんなに醜悪だろうと、どんなに悲惨だろうと、それを少しでもよくしようと心がけながら生き続けて行くことが一番正しいのかも知れない。」(p341) そして栗山はお幾とともに江戸・根岸で平凡だが幸せな暮らしを始めるのである。後半は鬼道とか意思を持った時間などというこの伝奇ロマンの主題とは異質の江戸市井ドラマのようになってしまう。 さて、姿を消した鬼道衆たちはどうなったのか?こちらのほうは何とも言いがたいソリューションである。 十数年を経て出版された、完結編の『(七)魔道の巻』(1993)で新たな展開があるかもしれないのでここではこれ以上触れないが、ええい、ここまで来れば「毒を食らわば皿まで」だ! |