感想文番号

著者 書名 刊行年 刊行国 出版社
2005030008 森岡正博 感じない男 2005 日本 ちくま新書

評者:発起人    評価:6   読了日:2005/03/26   公開日:2005/03/26

「男のセクシュアリティ」について自身に引きつけて語った本

 

 大阪府立大教授の森岡正博(もりおか・まさひろ、1958-)が自身の体験・感じ方に即して、男のセクシュアリティ(自分に染みついた、性についての感じ方や考え方)を考察した本である。

 しかし著者もたびたび断っているようにかなり話題はきわどい。しかもオヤジが酒を飲んで猥談をしているのではないのである。大学教授である。それなのに、「私はなぜミニスカートに欲情する(エッチな気分になる)のか」とか「どうして私は制服を着た少女に清涼感とゾクゾク感を感じるのか」等々 ・・・。

 そんなもん知らんわいと私は思ったのである。

 しかし著者の攻め方は巧妙である。自分は自分のことをさらけ出しているのだから、あなた(=男の読者)も自分の身に引きつけて考えなさい!そうしない限りまじめな議論になりませんよと迫ってくるのである。

 あなたはほんとうにそういう気分になったことはないのですか、ないと言うならあなたの「セクシュアリティ」は何ですかなどと迫ってくるのである。

 ううう、ないともあるとも言えませんな、ノーコメントということで、それはまた別の機会になどと 思いながら読み進めると、著者はかなり個人的な嗜好だと私には思えることを語り出すのである。それを仮説という言葉で括ってしまうのである。

 なんと言うか、私は思うのだが、このようなテーマは新書でのような語られ方が適切なのかどうか。これはもっと別の表現手段を使ったほうがいいのではないか。たとえば小説とか・・・。

 私のよく知らないフェミニズムを評価した上で、それに応答しようとしているように見えるところもある。

 だがとにかくこのような本は今まで読んだことがないという意味で(今まで考えたことのないことを考えさせてくれるという意味で)押しが強すぎるという欠点はあるが、6点!


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