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著者 書名 刊行年 刊行国 出版社
2005030004 半村良 妖星伝(四)黄道の巻 1977 日本 講談社文庫

評者:発起人    評価:6   読了日:2005/03/18   公開日:2005/03/18

ついに黄金城を発見!天道尼と鬼道衆の対決は?−補陀洛(ポータラカ)星人たちはお休みの第四部

 

 半村良のSF伝奇ロマンの第四部である。

 『(三)神道の巻』(1976)の末尾で予告された「意思を持った時間」は本編ではほとんど展開されない。また補陀洛(ポータラカ)星人・四人衆(外道皇帝たち)の出番もほとんどない。

 かわりに活躍するのは第三部で登場した、外道皇帝を滅ぼすという使命を負って生まれたという若き美貌の尼僧、天道尼である。

「私には、外道皇帝を滅ぼす因果があるのですよ。誰も因果の力にはさからえませぬ。たとえ因果を操れる外道皇帝にしてもです」(p250)

 驚くべき術を繰り出して鬼道衆の総力をあげた攻撃を難なくかわし逆に大きな損害をあたえてしまう天道尼であった。しかし鬼道衆の意表をついた淫欲刺激攻撃のまえに悲しいかな天道尼は退却を余儀なくされるのである。

 いっぽうしばらくご無沙汰であった禁制の日蓮宗不受不施派の僧侶二人組、日円と青円(しょうえん)は鬼道衆に先駆けて黄金城の世界(これを陋=ろうという)、実の世界に対する虚の世界に入り込む。そこで二人が出会ったのは?うー、本編の最初にあっさりこの世から消えてしまった静海、桜井俊策・久恵の三人であった!

 日円・青円はこの陋の世界についてさまざまな解釈を展開する。仏教僧だけあってか、その解釈は仏教の教義に基づくものであるが、現代物理学ふうの味付けがほどこされている。

 激しい戦い、主役級に抜擢された天道尼をめぐる淫欲、黄金城をめぐる物欲の描写はしばらく低迷気味であったこの物語にふたたび勢いを与えつつあるようである。

 裏世界を歩んできた鬼道衆の行方は?時間とは?肉体と霊魂とは?宇宙と地球の進化の秘密は?いったいこの物語の着地点はどこにあるのか?

 『(五)天道の巻』(1979)に突入だ! 


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