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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
| 2005020006 | 半村良 | 妖星伝(一)鬼道の巻 | 1975 | 日本 | 講談社文庫 |
評者:発起人 評価:8 読了日:2005/02/16 公開日:2005/02/16
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どう展開するのか予想できない伝奇SF大作の第一部
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伝記でも電気でもなく、伝奇小説なのである。伝奇というと私が思い出すのは山田風太郎とか柴田錬三郎などの名前である。司馬遼太郎も『梟の城』(1959)などは伝奇小説の色彩が濃厚であった。現役作家では夢枕獏か。 伝奇小説の場合、ほとんどが設定されている時代は江戸時代以前で、実在の人物、架空の人物を含めて政治家・武将・忍者・剣豪・僧侶などが活躍する。正統派に対する異端派が描かれることが多く、読者を飽きさせないためか、エロい場面も盛りだくさんである。 これに対してほとんどのSF作品は時代背景に現代あるいは未来が設定されている場合が多い。SFのSは科学(science)であるから、(擬似)科学的な説明・解決が与えられる。 ところが、今回ご紹介する『妖星伝(一)』は半村良(はんむら・りょう、1933-2002)による伝奇小説でありながらSFでもあるという大作の第一部である。面妖である。(ちなみに同じ作者の『戦国自衛隊』(1974)が今年再映画化され公開されるようである。) この第一部でも、前半までは、正統派の神道に対抗する裏神道とも言うべき鬼道の存在とその暗躍ぶりが描かれる。 時は江戸時代、八代将軍・徳川吉宗から九代将軍・徳川家重の治世のころ。 「・・・鬼道とは闇にかくれ、世には現われぬことをもってその本質としている・・・」が、「いつの世からか、恐らく神の体系ができあがりはじめた頃、すでに鬼道も同じようにその体系と理論をかためはじめていたのである」(p21)。 すでに失われて久しいという、鬼道の皇帝「外道皇帝」や伝説の「黄金城」を捜す鬼道衆は、激しい内部対立を抱え、表の社会とも連携・対立しながら鬼道に伝わるさまざまな超能力を使って相戦う。また各地で一揆を煽動する。エロい場面も不必要に出てくる。これぞ正統派伝奇小説! ところが、後半に入ると科学的・合理的説明の色彩が強くなる。若き医者・桜井俊策と浪人で各地の一揆を手助けしてきた栗山定十郎が鬼道衆の依頼で紀伊のどこかにいるという「カタリ」と呼ばれる過去の歴史をすべて記憶している存在を調査するために江戸を出て旅に出る。 途中、鬼道衆のひとりである「お幾」(なぜか前半と性格・行動まで変わっている)、殺人狂であったが「生まれ変わった」石川光之介、その後名を改め石川星之介がこの旅に参加し、鬼道どころか日本の、いやこの地球の驚嘆すべき歴史と未来を解明していくのである! うーむ、これはなんという展開!『(二)外道の巻』(1975)に突入だっ! |