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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
| 2005010007 | 岡留安則 | 『噂の眞相』25年戦記 | 2005 | 日本 | 集英社新書 |
評者:発起人 評価:9 読了日:2005/01/16 公開日:2005/01/16
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タブーに挑戦し続けたジャーナリストの楽しそうで辛そうな戦いの記録
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昨年黒字経営のまま「休刊」した月刊誌『噂の眞相』の創業者であり編集長を25年にわたって続けた岡留安則(おかどめ・やすのり、1947-)による戦いの記録である。面白くて一気読みは確実。 この本によると、『噂の眞相』の、タブーを恐れず、権威や権力者のスキャンダルを暴き続けた姿勢と「ヒューマン・インタレスト」に基づく編集方針は一貫していた、もちろん妥協や後退が必要な場面はあったが、基本的な志はぶれなかったという。 私自身は、権威に弱いせいか、あまり「雑誌」は読まない。『噂の眞相』もときどきネットで見出しなどを見る程度だったが、タブーに挑戦しているらしいがかなり怪しげな雑誌だなと思っていた程度である。しかし、この本を読むとこの読者の好奇心をかきたてる雑誌の作り方は当初からの戦略であったらしい。また「業界関係者」が集まりさまざまな噂が乱れ飛ぶ新宿・ゴールデン街がこの雑誌を生んだといっていいほどこの飲み屋が集中する一角に毎日のように通っていたと書かれていて、この怪しさこそがエネルギー源になっていたのかもしれない。 著者は『噂の眞相』を立ち上げる前は、『マスコミひょうろん』という雑誌の編集をしていたのだが、共同経営者がある日突然会社をロックアウトしたためこの雑誌を継続できなくなったという経験をしている。その後共同経営者はあらかじめ手配していた別のスタッフに『マスコミ評論』を続けさせたが、いわゆる「ブラック・ジャーナリズム」の道に走り、その共同経営者も実刑判決を受け、服役したという。 そのため私人のプライバシーを好奇心で暴き立てるようなことは避けてきた(例:三浦和義事件)が、皇室、政治家、検察・警察・裁判所、官僚はもちろん、作家や同業のマスコミなど権威・権力者については鋭いスクープを連発してきた。苦情・抗議・いやがらせや裁判(民事・刑事)は日常茶飯事であったらしい。2000年には、編集部に右翼団体の二人が抗議に訪れ、著者も暴行を受けるという事件まで発生した。このひとつひとつの「戦い」の顛末の記述が本書の圧巻である。 しかし、なぜ、経営的にも黒字であるこの雑誌を休刊することにしたのか。 著者によると「・・・学生層に読まれなくなった時は雑誌としての役回りは終わり・・・」と当初から決めていたそうであるが、学生に読まれなくなっているとは書かれていない。月刊誌では「文藝春秋」につぐ発行部数だったらしい。 ひとつはやはり疲労蓄積ということがあるのだろう。これは編集スタッフも含めてのことである。また政治家などのスキャンダルを暴くことをひとつの売りにしていたこの雑誌が、今年の4月に施行される「個人情報保護法」をはじめとしたメディア規制強化により取材が非常に困難になるということも関係しているようだ。 『噂の眞相』亡き後、ジャーナリズムはどうなるのか?今度はちゃんとお金出して買うから、早く戻ってきてね〜!>著者 |