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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
| 2004090004 | モブ・ノリオ | 介護入門 | 2004 | 日本 | 文藝春秋 |
評者:発起人 評価:7 読了日:2004/09/04 公開日:2004/09/05
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無私の愛−人を見た目や大麻常習の有無で判断してはいけませんっ?
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「YO、朋輩(ニガー)」、(このカッコ内の言葉は朋輩の上に小さい字でルビを振ってあるのだが)、大麻常習者の「俺」が祖母を自宅で介護する話。と言えば要約としては終わり。短い話なので、これをそれ以上要約するのは不可能だ。すぐに本屋さんか図書館に行って興味がある人は読んでみよう! 記録のために残しておくと、この作品でモブ・ノリオ(1970-)は第131回芥川賞(つまり2004年・上半期です)を受賞した。なにしろ、移り変わりの激しいこの世の中、特別の関心のある人以外は誰が芥川賞を取ったかなんてことはすぐ忘れてしまう。数年立つと、自分が読んだかどうかも忘れてしまう。 もう少し書いてみる。 「俺」は見た目は金髪の、30歳目前の独身男。母が経営している、亡くなった父が始めた会社もやめ、フツーの人から見ればわけのわからない「個人的音楽」に励んでいるが、祖母が倒れたとき以来、介護に生きる意味を見出している。 でも大麻はやめない。この話自体が大麻のもたらした幻覚の記述なのか?ほんとうはこんな「オバアチャン」の介護などしていないのではないかと最初は疑う読者も、いや、「俺」はちゃんと介護と大麻を共存させているらしい、と理解するであろう。(作者が撮った、「祖母」と作者らしいツー・ショットの写真が巻頭に載せられている。2000年5月14日の日付がある。) 私は大麻も介護も経験が無いし、Cowsの'Cabin Man'という曲も知らないのでよく理解できないことのほうが多い。だが、作者が言葉を紡ぎ出し、捕らえても捕らえても逃げていく、何かを伝えようという気迫・真剣さのようなものは伝わってくる。 こういう言葉は使われていないが、理屈では無い「無私の愛」である。「無私の愛」を強調して小説に書くようなところが「無私」で無いと言えないことは無いが、「俺」はこの介護という行為を通じてのみ、存在しているとも言えるほどの没頭ぶりなのである。実際に介護の必要性が出てきた場合の実際的知識もタイトル通りに書かれている。 大麻をキメていようが、髪をオール金髪に染めていようが、それとこれとは別なのである。(実際に作者が大麻を愛好しているかどうかは、小説だからわからないが、写真の日付は時効が過ぎているということか?マス・メディアに登場している作者はスキン・ヘッドである。) 「YO、朋輩、俺からは以上だ。」(p105) |