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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
| 2004080003 | 斎藤貴男 | 安心のファシズム | 2004 | 日本 | 岩波新書 |
評者:発起人 評価:8 読了日:2004/08/07 公開日:2004/08/07
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私たちが望んでいるファシズム? - いや、そんなことは無い!
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イラクで人質になった3人は「自己責任」だと思う人、街角で監視カメラが増えることに賛成だと思う人、ケータイで位置情報が把握できる(される)ことを便利だと思う人、君が代を卒業式で歌わなかったなどの理由で教師が処分されて当然だと思う人・・・。 うー、そういう人にとってはこの本は無駄だと思う。他のことに時間を使ったほうがいいと思う。 私のように上の質問にすべてノーと答えるであろう人は、「うん、そうだよね。酷いよ、まったくだ。」と悲憤慷慨、まだこれぐらいの本が出せるうちが花か。がんばれよ〜っ。ということで精神衛生上はプラスかマイナスかはにわかに判定はできない。 いやー、そんなことは考えても見なかったとか、それどういうこと?と疑問を持つような人にこそこの本は読まれるべき本だと思う。かなりやばいことがこの国で世界で進行している。まさに衣食住・行動・思想・感情が本人に意識されることなく、あたかも自分で選んだようにコントロールされる、そんな状態が実現しつつある。 しかし、それにしては、このジャーナリストの斎藤貴男(さいとう・たかお、1958-)の本、もう少し事実の提起に徹すればよかったかなと悔やまれる。別にエーリッヒ・フロムなんかの引用をしなくてもよかったのではないか? この国で、IT技術に裏打ちされた監視社会化が進み、「新しい身分制」が「自由な市場経済」を求めるはずのグローバル化によって拡大・固定されつつあり、人々が自由を放棄し、「安心のファシズム」に逃げ込んでいるように見えるということを、事実の積み重ねで浮かび上がらせてもらいたかった。 こういう類の本が大量に流通する最後の時期に来ていたりするかもしれないから、珍しい本の収集家は買っておいても損は無いかもしれないが・・・。 |