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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
| 2004050007 | 金原ひとみ | アッシュベイビー | 2004 | 日本 | 集英社 |
評者:発起人 評価:2 読了日:2004/05/21 公開日:2004/05/22
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出版界の奇跡か、常識か?
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前作『蛇にピアス』(2004)で芥川賞を受賞した、金原ひとみ(1983-)の第二作だが、驚いたのは集英社もよくもこんな作品を出版したなということ。 これはまさに奇跡である。 この小説に何かひとつでも新しいものがあるだろうか?あるいは古くても人の情動に訴えるものがあるだろうか?エロ小説としてでも一部の読者にでも役に立つものがあるだろうか? 私の答えはすべてにノーである。 主人公の「私」(23)=アヤ=レナ(これはキャバクラでの源氏名)はこの世界とすべてのコミュニケーションを拒否している。誰かに何かをわかってもらおうとすること自体を拒否している。となると、結局彼女のつぶやきすべては独り言であり、自分を消滅させたいという願望らしきものだけが残る。 それがだらだらと、今どきの口語体でしつこく続くのだからこれはPTAでなくても閉口する。しかもアヤと「ルームシェア」をしている「ホクト」は幼児性虐待者だし、アヤが好きで好きでたまらない32歳、バツイチの「村野さん」は最後まで正体不明の男だし・・・。ていうか、いかんいかん、私までこんな小娘の語り口をまねしてどうする。 むしろ、アヤはみんなに嫌われたいのではないだろうか?世界を徹底的に拒否する人間を作者は描こうとしたのだろうか? こんな作品に怒るのも大人気ない、まあ、私としては芥川賞受賞第一作ぐらいまではつきあってやろうじゃないかという気持ちだったので、いちおう義務は果たした。 いつまでも、灰になってもいいからブツブツつぶやいていなさい、そのうち誰もこんな不快なたわ言をお金を出して読もうなんて奇特な人間はどんどん減っていくのはわかっていて、そういうことが前提となっている出版業界だからこんな作品でもまあいいか、タイム・トゥー・マーケットっていうか、いきのよさだけでまあ3割ぐらいは売れるから、それはそれで常識だし・・・ということか。 |