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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
| 2004050006 | エーリヒ・ケストナー | 一杯の珈琲から | 1938 | スイス(ドイツ) | 創元推理文庫 |
評者:発起人 評価:4 読了日:2004/05/19 公開日:2004/05/21
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夢の花咲くこともある?
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どんな名作であっても、読者の体調、あるいは精神状態、読む場所等々によってもおもしろくないと感じることがある。 このドイツの作家、ケストナー(1899-1974)の作品、残念ながら現在の私の状態には合わなかったようである。 この作品の舞台になっている、オーストリアのザルツブルクのカフェで読んでいたりしたら、もっと印象は変わったかもしれない。言うまでもなく、モーツアルトが生まれた場所であり、ザルツブルク音楽祭が行われる都市でもある。 この小説の主人公、ゲオルクは、1937年、友人のカールから夏休みをこのザルツブルクで過ごさないかと急な誘いを受ける。ベルリンに住んで、学究生活に没頭しているゲオルクは、オーストリアへ行く準備を進めるが、当時の外国為替規制でドイツからオーストリアへは「月々十マルク」以上は持ち出せない!そこでエーリヒ(作者か?)がいい智恵を授けてくれる。国境沿いのドイツ側のライヘンハルにホテルを予約し、毎日ザルツブルクへ行けばいいのだ。 さっそくこのアドバイスに従ったゲオルクは、毎日国境を往来することになる。ザルツブルクのあるカフェで珈琲代を払えなくて困っているときに出会ったのがコンスタンツェ。ある伯爵家の「女中」をしているという彼女にゲオルクは一目ぼれ。さて、二人の恋の行方は? というような話なのだが、この小説が出版された1938年にはすでにオーストリアという国はナチス・ドイツに併合されてしまっていた。これがこの小説がスイスで当初出版された理由なのだろうか。 ザルツブルクにナチスのオーストリア併合というと思い出すのは、映画「サウンド・オブ・ミュージック」(1964)。これも同じころのザルツブルク周辺を舞台にしていたと記憶している。 しかし、この小説のほうは、ナチス・ドイツの影などどこにもなく、善男善女が楽しく幸せに登場し行動し、驚きはあっても悪意や企みは無い。 この題名、1939年に発売された「一杯のコーヒーから」(霧島昇/ミスコロンビア)をこの訳者(小松太郎)が好きだったせいなのか、原題とはまったく関係が無い。もちろん、コーヒー代をコンスタンツェに払ってもらったことからこの恋愛は始まったのではあるが・・・。 ♪ 一杯のコーヒーから 夢の花咲くこともある・・・ 聴いたこと無い? |