感想文番号

著者 書名 刊行年 刊行国 出版社
2004050004 星新一 おせっかいな神々 1965 日本 新潮文庫

評者:発起人    評価:6    読了日:2004/05/08    公開日:2004/05/08

ランダムな世界に生きる人間の出会う予期できぬ結末

 

  日本SFの創始者的存在にして、ショート・ショートという難しい分野で千篇を超える作品を残した、星新一(1926-1997)の作品集。

 ショート・ショートというからには、長くてはいけないが、なにかおもしろいもの、読者を納得させるものが含まれていなくてはいけない。何倍、何十倍もの紙数を費やしても星新一のショート・ショートの一篇にもおよばないというような作品も世の中にはたくさんあると思うので、星新一の偉大さは明らかである。

 今回ご紹介するこの『おせっかいな神々』には40篇の作品が収められている。あえて作品集としてひとつのテーマがあるとすれば、無名の個人(主人公たちはほとんどエヌ氏とかアール氏とか記号そのものの名前である)が自分の意図したこととまったく逆のあるいは意外な結果に遭遇するということか。(そうでない作品もたくさん収められているが)

 神々(この中には悪魔や天使なども含まれる)は「おせっかい」であるがこのおせっかいは人間にとっては「気まぐれ」としか思えない。つまりランダムに動いているように人間には感じられる。人間の意思を愚弄するかのような結果が、幸福な場合でも不幸な場合でも、もたらされるのだ。

 作者はこれが万古不易の人間世界の法則であると悟りきっていたから、教訓的にもならず、熱くも冷たくもならず、短くおもしろい読み物として提供できたのかもしれない。

 連休明けなどパワー低下時に特にお薦めの一冊。


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