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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
| 2004020007 | 北杜夫 | さびしい王様 | 1969 | 日本 | 新潮文庫 |
評者:発起人 評価:4 読了日:2004/02/21 公開日:2004/02/21
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さびしいのは王様ではなく読者と作者の心象風景か?
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北杜夫(1927-)の「さびしい」シリーズの第一弾。「おとなとこどものための童話」と銘打って1969年に出版されたもの。 ストン王国の幼い王様、「シャハジ・ボンボン・ババサヒブ・アリストクラシー・アル・アシッド・ジョージ・ストンコロリーン二十八世」の物語。王様は母と先王を幼くして失い、悪辣な総理大臣に操縦され、帝王学や大帝王学、王にふさわしいサインの練習などを学ばされ、まったく世間から隔離されて育てられた。オレンジとオッパイの区別もつかなかった王様に転機が訪れたのはストン王国に革命が起き、王国の発祥の地であるアッシュア地方に身分を隠して落ち延びてからのこと・・・。 王宮での王様の日常、総理大臣の悪巧み、王様のお妃探し、亡命の地での冒険、幼くして別れさせられたローラ姫に似た少女とその父親の超天才科学者との出会いなどなどおもしろいエピソードが散りばめられているが・・・やはり1969年という時代のせいか、作者の「スランプ」のせいか、すべてが中途半端なまま、最後には王様は文字通り、暗闇の中に消されてしまう。 6本の「前がき」と6本の「あとがき」がついているこの「童話」、別に難しく考える必要もなく、作者の仕掛や種明かしされない(あるいは古びてしまった)パロディなどもそのまま流して読めばいいのかもしれないが、エネルギーが感じられないのである。それは私のアンテナのほうが疲労状態にあるせいかもしれないが・・・。 本作に続く、『さびしい乞食』、『さびしい姫君』にまで読み進もうという気分には今のところなれないのである。 |