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著者 書名 刊行年 刊行国 出版社

2003120005

舞城王太郎 世界は密室でできている。 2002 日本 講談社ノベルス

評者:発起人    評価:6    読了日:2003/12/16    公開日:2003/12/16

おーい、これ、オチが無いぞーっ!−確信犯・舞城王太郎の第3作

 

 と叫んでみても、舞城王太郎(1973-)には届くまい。届いてもこの正体不明作家は確信犯だから、叫ぶだけムダだ。つまり、この西暁町サーガとも言うべきこの一篇、きっと他の作品でオチもつけてくれるんだろうね。それまでちゃんと書き続けてね、と言うしかない。

 とは言っても、私、この作家かなり好きなのである。私が子供っぽいのか、舞城がオヤジ的なのか?『煙か土か食い物』(2001)『暗闇の中で子供』(2001)に続く第3作が本書であり、私はほかの作品は読んでいないのだが・・・。

 前2作がそれぞれ福井県・西暁町の名家、奈津川家の四男・四郎と三男・三郎を語り手としていたのに対し、本作では同じ西暁町に住む「僕」(西村友紀夫)が語り手。家が隣同士の同級生で名探偵の「ルンババ」(番場潤二郎)が解決する事件の数々。うーむ。たしか、「ルンババ」とは奈津川三郎が書いている小説の名探偵だったハズ。それではこれは作中作なのか、と疑って読み進めても奈津川家の人たちが直接登場するわけではない。

 中学1年生のときに「ルンババ」の姉の涼ちゃん(当時19歳)が自分の家の屋根から墜落して死んだ事件の謎、中3になって修学旅行で東京に行ったときに知り合った井上椿・榎の姉妹が巻き込まれるふたつの密室殺人事件。地元の福井文科大に入ったふたりが、東京での事件後「僕」の家に住むようになったエノキ(榎)と発見・遭遇する西暁町での大量密室殺人事件。これらの事件の謎を「ルンババ」は簡単に解いてしまうのだが・・・。うーむ。「犯人」たち(?)はどうなったのか?ひとつとして実は解決されていないのでは?いやそもそもこれらの「事件」はほんとうにあったことなのか?「僕」あるいは「ルンババ」の妄想か?

 「ルンババ」最後の行動がこの小説の最大の謎に対する答えになっているような気もするが・・・。

 「オチ」が、「ギャグ」が無いと間が持たないような悲惨で異常なこの小説世界で「僕」と「ルンババ」は生きていくのである。もちろん、考えてみれば現実の世の中とそんなに違いは無い世界だとも言える(いやむしろこのような描き方でないと現実を描けないということなのかもしれない)わけで、「僕」が一生懸命「オチ」を考えている姿がけなげである。このあたりが、オヤジギャグで世界が救われるかもしれないなどとときどき考える私の琴線に触れるのかもしれない。

「頼むから、とにかくそれが単に寒いだけのオチではありませんように。」(p211、この作品の最後の文章です。) 


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