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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
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2003120003 |
歌野晶午 | 葉桜の季節に君を想うということ | 2003 | 日本 | 文藝春秋 |
評者:発起人 評価:8 読了日:2003/12/12 公開日:2003/12/12
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騙される快感を堪能してください−「このミス2004」国内部門第1位作品
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恋愛小説みたいな題名だな!たしかこの作者は「新本格」だったはずなのに路線転換してしまったのか?数々の先入観を持って読み始めました。 ガードマンやパソコン教室の講師、映画のエキストラなどの仕事をしている「俺」(成瀬将虎)はジムで体を鍛え、女たちとの情事を楽しんでいる。「何でもやってやろう屋」を自認している。 ある日、同じジムに通う高校の後輩、都立青山高校生キヨシ(芹沢清)のつきあいでジムを休んでいた久高愛子の家を訪れた俺は後日愛子から衝撃的な事実を聞く。おじいさん(久高隆一郎)が轢き逃げされたのだが、彼は死ぬ前に「蓬莱倶楽部」という年寄りなどを狙って高額インチキ商品を売りつける団体から5千万円もの被害に会っていた。しかも名前も聞いたことの無い会社の社員にさせられて保険金をかけさせられていたのだ。俺は愛子に頼まれて轢き逃げと蓬莱倶楽部の関わりを探偵することを約束し、事件の謎に迫っていくが・・・。 物語は、この「蓬莱倶楽部」追求の線と、俺の目の前で地下鉄に飛び込み自殺を図ったが俺が救出した麻宮さくらと俺との関係をめぐる線、「蓬莱倶楽部」の被害者だがやがて借金返済のために彼らの悪事に加担していく古屋節子の線、俺が高校を卒業してすぐに探偵事務所に入門しそこからヤクザ組織に潜入させられて出会う事件の線、そして俺が教えているパソコン教室の生徒だった安さん(安藤士郎)とその娘をめぐる物語の線が複雑に交錯しあって進行する。 うーん、これはイッパイ食わされた!負けたよ、久しぶりにこの騙される快感を味あわせてくれました。 歌野晶午(うたの・しょうご、1961-)の作品を読むのはこれが始めて。いつか何か読もう読もうと思っていた作家のひとりではあったのだが、「このミス」で首位を取ることがなければ結局読まないでいたかもしれない。その意味ではまだ「このミス」にも役割があるのかな? なお、この本、文藝春秋の「本格ミステリ・マスターズ」というシリーズ(編集委員は綾辻行人、笠井潔、北村薫、二階堂黎人の四人。)の一冊である。 |