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著者 書名 刊行年 刊行国 出版社

2003100001

勝目梓 霧の殺意 1985 日本 光文社文庫

評者:発起人    評価:2    読了日:2003/10/03    公開日:2003/10/03

お父さん、ニタニタしながら何読んでるんですか?

 

  というわけで、世のヒョージュン的お父さんたち愛読のエロ小説、いや「ハード・サスペンス」の巨匠、勝目梓(1932-)の作品をご紹介しよう。

 私の知っている限りで言えば、お父さんたちが通勤電車などで愛読しているスポーツ新聞や夕刊紙、週刊誌にはヌード写真や「盛り場情報」などとともに、必ずといっていいほどこの種の連載小説が載っています。いったいそんなの律儀に読んでいる人がいるのだろうか?うーん、あんまりいないと思う。でも、塵も積もれば山となる、というかなにしろそういう新聞や雑誌には必ずそういう連載コーナーがあるのだから、そのような小説の量は膨大なものになります。

 さらに、そうした膨大な小説が単行本やノベルス・文庫本になりまた駅方面(おもにキオスクとかね)を中心にして流通するんですね。でもほとんどの場合はそうした本は(新聞・雑誌と同じく)お父さんの出張や通勤のお供でひとしきりニタニタされた後は捨てられますが捨てられた後も最近ではリサイクルのルートが出来ていることは皆さんもご存知の通り。まあ私の場合は本になってしまうとなかなか捨てられないので、この勝目梓の場合も、勝海舟と加藤周一の間に挟まれて書棚の一角を占めています。

 えー、それでこの作品ですが、解説によると『週刊サンケイ』(この雑誌はもう無いと思うが・・・)に1985年に連載されたものらしい。えーっと、それでですね、まああらすじは何といいますか、うーん、つまり、ちょっと書けないなあ。裏表紙を見るといろいろ書いてあって、まとめとして

「凄まじい陵辱と溢れる官能の渦、勝目ワールドの決定版!」

とあります。

 しかし、この作品、かなり暗いです。(ノワールだって?)登場人物たちは色と欲のためには何でもしちゃうというやつばかりですが、いちおう主人公的なカップルと悪役に別れます。まあどっちもどっちなのですが・・・。結局最後は殺し合いになってしまいますが、うーん、エロならエロ、暴力なら暴力、詐欺なら詐欺でどっちかにしろ〜という感じですね。

 おいおい、そんな場面でXXしてる場合かあ?こんなにベラベラ自分たちの悪事を喋っちゃっていいのかあ?指紋は拭き取ったんじゃなかったのかあ?等々つまらないことが気になってしまいます。

 エロ・暴力だからいけないということじゃなくてね、小説の出来が破綻しているような気がします。つまらなかったです。


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