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著者 書名 刊行年 刊行国 出版社

2003090011

太宰治 二十世紀旗手 1937 日本 新潮文庫

評者:発起人    評価:10    読了日:2003/09/28    公開日:2003/09/28

新進作家時代の太宰治の作品集

 

 この新潮文庫版『二十世紀旗手』には「狂言の神」、「虚構の春」、「雌に就いて」、「創生記」、「喝采」、「二十世紀旗手」および「HUMAN LOST」の七編が収められている。いずれも1936〜37年(太宰治が27〜28歳のころ)にかけて書かれた作品である。

 どの作品も苦しくなる・身を切られるような気持ちにさせる作品である。文体も破格であり、読みにくい。決して楽しい作品では無い。にもかかわらず一個の精神の表白としては比肩できるもののない、日本文学の極北である。

 とは言っても私は別に評論家では無いから、その頃の太宰の悩みを私なりに整理して、ワイドショウ風にご紹介すると次のようになる:

★ 『晩年』(1936)でデビューした新文学の旗手、太宰治さんに心中未遂の過去!昭和5年(1930)11月、鎌倉の海岸でカルチモンを服用!相手の田部あつみさん(当時19歳)は銀座のカフェで働いていた!

「「女は、死んだ。」とこのときのことを太宰さんは「狂言の神」という作品の中で書いています。ちなみに太宰さんは自殺幇助罪で取調べを受けたが起訴猶予になったそうです」

「太宰治って若い人に人気があるようだけど、青少年に悪影響を与えるような事をして、しゃあしゃあと文学でございなんて、こんな作家のことをわれわれメディアも取り上げるからいけないんだよね。芥川龍之介といい、この太宰といい、喝ッ!ついでに川端康成も三島由紀夫ヘミングウェイも喝だ、喝ッ!!」

「その3人はまだ早いですよ!メディアなんて言葉もあんまり使わないし・・・。」

「結局太宰治も最後は心中成功して死んじゃうんだからいいんだよっ!」

「それもまだですよ〜!」

☆ あの太宰治の異常な女性関係!妻との結婚は心中未遂の直後!!

「とんでも無いねえ。心中未遂が昭和5年の11月で、今の奥さんの小山初代さんとの仮祝言が同じ年の12月?翌年の2月には世帯を持ったってんだろっ?これじゃあ心中相手の銀座の女性も浮かばれないねえ、って入水しただけにしゃれにもならねえやっ!喝だっ、喝ッ!」

★ あの太宰治に非合法活動の過去!共産党の地下組織に関係?

「でも結局は運動から脱落・逃亡したそうで、このことを太宰さんは裏切り行為として気にやんでいるそうです。」

「この太宰の親父さんは貴族院議員で実家は大地主なんだよ。もともと根性が無いんだよっ、喝っ!」

「こんなこと言ったら全部伏字ですよ〜(泣)」

☆ あの太宰治が薬物中毒で入院!芥川賞落選のショックか?入院中に奥さんの不倫発覚!心中を図るが失敗!離婚は必至か!

「井伏鱒二とか佐藤春夫とかにいろいろ世話になってたんだろっ?まあこのバルビナールとかいうクスリの中毒になってたって言うんだから・・・まず治さなくちゃな・・・。中島らもじゃないけどな!まあ離婚もしょーがないかな。他人の家庭のことはわからんけどな。」

「な、な、中島らもって・・・何ですか??」

 とまあ、たいへんな状況にあったのがこの頃の太宰治。でもこういう作家の個人的背景を知らないとよくわからない小説かと言えばそんなことは無い。この小説に書かれた虚構と事実がないまぜになったせめぎ合いがもたらす緊張感がなんとも言えない魅力をかもしだしているのである。覚悟して読めっ! 


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