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著者 書名 刊行年 刊行国 出版社

2003080012

舞城王太郎 暗闇の中で子供 2001 日本 講談社ノベルス

評者:発起人    評価:9    読了日:2003/08/25    公開日:2003/08/25

只者では無かった!−舞城王太郎の第2作

 

 『煙か土か食い物』(2001)に続く舞城王太郎(1973生れ)の第2作。いやー、驚きました。大笑いさせてもらいました。楽しみました、そして期待でワクワクしました。次は何を書いたのだろうか??

 でも舞城王太郎が好きだ、なんてあんまりおおっぴらには言いにくいよね、責任ある大人の立場としてはね。残虐な事件、とりわけガキいやお子様がらみのそういう事件が続いてる昨今では特にね・・・。つまり評価の分かれる作家だと思います。(その分カルト的人気を得る条件をそなえているんですね。人前には出てこない作家らしいですしね・・・。)

 舞台は前作と同じ、福井県西暁町。今回の語り手は奈津川家の三男、三郎。(前作の四郎の兄ですね。)三郎は小説家であり、『白い森』と『賛歌』という作品を書いたあと、「馬鹿みたいなミステリ小説」(p38)(ルンババシリーズ←読んでみたい!)を書いたりしてすごしている。

 語り手がいちおう作家であるだけあって、文体は前作に比べて内省的・分析的だ。物語論を延々と展開したりしていて、四郎のパンク調だけではないぞこいつはと思わせるものを持っている。(このあたりがきっと純文学畑から注目されたところなんでしょう。)

 さて、前作の事件が一段落ついたころ、三郎は十三歳の美少女ユリオと邂逅する。ユリオは自転車でマネキン人形を寒空の中、田んぼの中に埋めていたのだ。全部で8体!うう、これは?何のために?

「・・・何やら犯罪の臭いがしないでもないのだ。っていうかバッチリするぞ!しまくりだ!」(p49)←どこが内省的かって?

 その時、四郎が三郎に西暁町で行方不明になっている三人の新聞記事を持ってくる。ん?これが「マネキン」と何か関係があるのか?三郎は四郎に尻を押されるようにして事件解決に向けて動くが・・・・、(いろいろあって)、それでえっ?まだ前作の事件は解決していない?それとも前作の模倣犯?

 おいおい、ちょっと待てっ!ユリオの彼氏で心中する予定だった高校一年生の橋本敬(たかし)は窒息死していたんじゃないの?(p88)ところが同じ橋本敬は西暁中学校のグラウンドでバラバラ死体で見つかった??(p127)あー、わけがわからない。また別の連続殺人事件が起り、その驚愕の真相は??

 なるほどなるほど、これが「暗闇の中で子供」の意味なのかあ!←って納得するなっ!

 はたして語り手の三郎は生きているのか、死んでいるのかもわからなくなってきて、大混乱のうちにともかく終わる。四郎はどうなった?一郎は?二郎は結局どうなったんだ??おふくろはどこへ?

「何しろ物語というものは本当のことを書いても本当のことを伝えるとは限らないからだ。

 だから俺は嘘を書く。」(p461)←ハア?

「そんな俺は俺自身をようやく気に入っているのだ。嫌うことを諦めて、好きな自分を認めているのだ。だって結局どこまでいっても俺は三郎。三郎三郎ふふっふ三郎デュビデュバ。イエー。」(p471)

 おもしろかった!


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