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著者 書名 刊行年 刊行国 出版社

2003080004

西尾維新 クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い 2002 日本 講談社ノベルス

評者:発起人    評価:9    読了日:2003/08/12    公開日:2003/08/12

予想外にクラシックなミステリー。でもこれは序章に過ぎないのか?

 

  このサイトをはじめてから今までなら文庫になってはじめて手を伸ばしていたはずの作家の作品も読むようになりました。今回の西尾維新(1981年生まれ!)、本作で第23回メフィスト賞を受賞しています。

 絶海の孤島、「鴉の濡れ羽島」に招待された各分野の天才女性たち、画家・伊吹かなみ(いぶき・かなみ)、料理人・佐代野弥生(さしろの・やよい)、学者・園山赤音(そのやま・あかね)、占術師・姫菜真姫(ひめな・まき)、技術屋・玖渚友(くなぎさ・とも)。島の主人、赤神イリア(あかがみ・いりあ)とメイド長・班田玲(はんだ・れい)、そして三つ子のメイド、千賀あかり、ひかり、てる子。男は伊吹かなみの介添人、逆木深夜(さかき・しんや)と玖渚友の介添人で「戯言遣い」のぼく(いーちゃん)の二人。当然ある理由から島と外界の行き来はできないし、この12人以外は島にはいない。そこで発見されるクビキリ死体がひとつ、続いてふたつ!推理小説の古典的な状況設定ですね、これは。そしてイリアが絶大な信頼を寄せる「人類最大の請負人」、哀川潤(あいかわ・じゅん)なる人物が島にやってくるという。

 あう。いや、これなかなかいいと思います。決して、オヤジが若者に媚を売っているということじゃなくてね。私にもちゃんと論理的に推理ができました。つまり、あまりに難しすぎると推理はできなくなるものですが、本作の場合はなんというか数学的に(算数を使って)推理ができちゃうんですよね。ちょうどいー加減でした。そしてフェアです。

 それから何といっても、登場するキャラがいいですね。私はやったことは無いんですが、「ギャルゲー」って言うんですか?美(少)女たちが登場するゲームのような感覚ですよ、たぶん。(竹−1983年生まれ−という人のイラストなんか、私、恥ずかしくて、ちょっと外では読めませんね、カバー無しでは。)そして、本作では「語り部」の「ぼく」(いーちゃん)をはじめほとんどの登場人物の過去は(未来も)暗示されているだけで語られていません。これは、戦略的にシリーズ化の枠組みを作っていますね。

 あとは、冒頭にニーチェの言葉が引用されていたり、論理学やゲーム理論を援用した議論が展開されたりするところもなかなかいーですよ、初々しくて。さかんに繰り返される「天才」、「頭がいい/悪い」をめぐる議論と罵倒の応酬、鼻につくところもあるけど、多分若いときは自分の可能性に自信と不安を持ってるもんなんだよね。私ぐらいになるとこんなこと考えもしません。

 次作以降も読んでみようかな。あっ〜!何たる不覚!今はじめて気づきました。この作者の名前をめぐる秘密。なんか登場人物たちの名前も怪しいなあ!


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