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著者 書名 刊行年 刊行国 出版社

2003070011

ウィリアム・フォークナー 寓話 1954 アメリカ 岩波文庫

評者:発起人    評価:4    読了日:2003/07/30    公開日:2003/07/31

戦争そして現代における救済というテーマに真っ向から取り組んだ意欲作−でも難解です

 

 米国の作家フォークナー(1897-1962)の作品。うーん、正直申し上げて私には歯が立ちませんでした。

 第一次大戦下1918年、フランスの一連隊が突然戦いを放棄する。そしてそれがすぐに対戦するドイツ軍にも、そしてフランスと同盟している英軍、米軍にも拡がり、西部戦線はまったくの休戦状態に陥ってしまう。この戦線放棄の背後にひとりの伍長に率いられた十二人の兵士たちの存在があるらしい。かれらは過去戦線をどういうわけか自由に往来しこの状態を作り出したらしい。連合軍側は事態の収拾、そして責任者の逮捕と処罰に動き始める。民衆は彼らの夫、兄弟、息子たちが属する連隊が処罰されるのを恐れて右往左往するが・・・。

 明らかにこの伍長はキリストであり十二人の兵士たちはその弟子たちのようではあるし、大量殺戮・破壊としての戦争が大きなテーマであることぐらいは理解できる。(この作品が第二次世界大戦の後で書かれたことから単にフォークナーが歴史物語を書きたかったのではないことは言うまでも無い。)

 しかし、話は後先に飛ぶし、視点も移動する。哲学的・思弁的・宗教的な会話が長々と続くかと思えば、それだけで短編小説になりそうな半ば独立した挿話が語られる。連合軍側の最高司令官である老将軍(かれが神なのか?)、反乱を起こした連隊の属する師団長グラニヨン将軍、イギリスの連絡兵など戦争の階層におけるさまざまな登場人物が行動する。キリストが現代に復活したらどうなるかとう意図がこの小説にはあるのではではとも思うが、何しろ難解・複雑であり筋を追うのさえけっこう苦労する。(聖書もちゃんと読んだこと無いから、特にね。)

 感動的なシーンも多い。テーマの壮大さはなかなか他に見当たらない。

 でも、しかし、やっぱり・・・(私には)難しすぎるのである。ということでこの大作家の作品に4だ!(とにかく読んだ??)


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