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著者 書名 刊行年 刊行国 出版社

2003070004

吉村達也 文通 1994 日本 角川ホラー文庫

評者:発起人    評価:5    読了日:2003/07/14    公開日:2003/07/14

ネットやケータイが普及していなかった頃の「純情可憐」なストーカー小説

 

  茅ヶ崎に住む女子高生片桐瑞穂は、ふと書店で手にした雑誌『ペンパル』に、文通相手募集のメッセージを出してしまう。瑞穂のところには4人の男女の文通希望者から手紙が届く。

 この雑誌は住所・氏名・年齢・学校名などを明らかにして文通相手を募集するということをルールにしていたので、瑞穂の個人情報は誌上で公開されている。同時に4人の文通希望者たちも瑞穂への手紙でそれぞれの自己紹介をしているのだが、山形県の(もちろん自称だからほんとうのところはわからない)大学生以外の3人(女性)からの手紙はいずれも何かしら異常なところが感じられる。たとえばそのうちのひとり長野県の女性(45歳)は「自転車に乗って」茅ヶ崎の瑞穂の自宅にまでやってきたと書いて寄こす。瑞穂は大学生以外との文通を断る決心をするが・・・。

 だいたいね、これは無防備すぎるよ。インターネットや携帯電話がまだこれほど普及していなかった時代の作品とはいえ、この主人公、軽率すぎるよっ!それにしてもまだ10年も経っていないのに、すべてが変わっちゃいましたね。

 この小説、ホラーというより基本的には謎解きの要素が大きい。でも『サイコ』(ロバート・ブロック、1959)以来おなじみの犯人像、エンディングの中途半端感などミステリーを読む読者には??という感じですね。

 著者の吉村達也(1952-)の作品を読むのはこれがはじめて。作家兼「ネットプロデューサー」をされているそうです。

「趣味が読書や音楽鑑賞で、・・・などと書いたのは、まるで自分の裸をみんなの前に晒してしまったように恥ずかしい行為だったのではないか、という気がしてきた」(p15)とわれらがヒロイン瑞穂は後悔していますが、うんうん、この気持ちよくわかります、ということで後悔の気持ちを込めて?5点!

 あ、それからみずほ銀行員はちゃんとこの作品を読んでおくことっ!


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