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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
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2003070003 |
舞城王太郎 | 煙か土か食い物 | 2001 | 日本 | 講談社ノベルス |
評者:発起人 評価:6 読了日:2003/07/12 公開日:2003/07/12
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「人生なんて余裕のヨッちゃんよ」(p316)
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メフィスト賞第19回受賞作で、著者のデビュー作。 でも、書くこと無いなあ、この本、というかどう書くか、何を書くか?難しい。 米国サンディエゴで腕利きの外科医として活躍している四郎が故郷の福井県三暁に呼び戻される。母親が殴打され意識不明の重傷?しかもこの殴打事件は同一のパターンを踏襲した他の連続主婦殴打事件のひとつらしい。福井に戻った四郎は、昔の仲間を集め事件解決に乗り出す。 殴打事件の場所をめぐる「螺旋」の謎、現場に残された遺留品をめぐる謎、被害者の「半埋葬」の仕方をめぐる暗号等々ミステリの道具立てが使われる。他方、物語の展開に連れて明らかになる四郎の実家、奈津川家をめぐる過去の事件と親から子への暴力・虐待、血族に潜む秘密。そしてかつて四人兄弟の次男、二郎が失踪し、祖父が自殺した奈津川家の「三角蔵」に潜む秘密とは? でもね、これを横溝正史とかを読むような態度で読むとえらい目に会うよ!本作中の四郎は探偵役のように見えて実は(格闘系)TVゲームの主人公のような行動派(ハードボイルドだね)でもあり、三男、三郎が事件解決を依頼した「名探偵」(だから解決は最後まで明かそうとしない)は事件を解決できない。思い出したのはブコウスキーの『パルプ』(1994)かな?偶然と思いつきで事件は最後のクライマックスに向けて疾走する。もちろんトマス・ハリスばりのサイコ・スリラー的な要素もある。 結局、それで?事件の解決は?不眠症の四郎は眠れるのか?いちおう最後は閉じられてはいる。 でもね、それが血は水よりも濃し!母の胸に抱かれる子の安心感に優るもの無し!力は勝つ!みたいな結論だったら・・・どう思う? もちろん、舞城王太郎がこうした単純な世界の鉄壁ルールに満足しているはずはない・・・と思うが、でもそれ以外に何があるのかと問われて答えられる人は少ないのではないだろうか。 筒井康隆−町田康ラインのようでもあるが、他の作品も読んでみないとよくわからない作家だ。 |