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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
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2003060017 |
泡坂妻夫 | 奇術探偵 曾我佳城全集 《秘の巻》、《戯の巻》 | 2000 | 日本 | 講談社文庫 |
評者:発起人 評価:9 読了日:2003/06/28 公開日:2003/06/29
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美貌の奇術探偵が活躍する不思議と謎解きと夢の世界
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直木賞・日本推理作家協会賞受賞作家、泡坂妻夫(1933-)が1980年から雑誌『小説現代』に間歇的に発表してきた、引退した美貌の女性奇術師、曾我佳城(そが・かじょう)を探偵役とするシリーズを一冊に(文庫版では2冊に)まとめたもの。最後の3作だけは雑誌『メフィスト』の2000年1月増刊号に掲載され、全22作が2000年にこの「全集」として刊行された。(ちなみに、本作品集は『このミステリーがすごい!2001年版』で国内部門の第1位に輝いている。) 作者は、家業の紋章上絵師(これ何だろうね??)を続けながら、マジシャンとしても活躍しているという多才な人であるが、本作は奇術(マジック)が全22作の背景として使われている。そして探偵役の曾我佳城は、「中高で黒い眸が大きく、下瞼のふくらみに艶美な匂いが感じられる。口は大きめで、唇はふっくらとして、甘い薄紅色」などと描写されるが、若くして引退した女性奇術師だ。曾我佳城はあざやかな論理で、ひとつひとつの事件を解決していくのだが、それぞれがほぼすべて奇術の謎に関連しており、読者はこの一冊を読めばこのマニアックな世界の楽しさをも垣間見ることができる。(ほんとうの奇術愛好家にはたまらないだろうと推察する。) ひとつひとつの事件の意外で論理的な解決の楽しさとは別に、この小説をさらに楽しいものにしているのがこの探偵役自身の謎についてである。全22作を読めばこの謎も解決される仕組みになっているから、この文庫本の帯には「どちらの巻から読んでも楽しめます」と書いてあるが、読者は絶対上巻にあたる《秘の巻》から読むべきである。(あるいはさらに巻末の雑誌発表年月を見て、その順序で読むのがベストかもしれない。)曾我佳城の周りには奇術という趣味・職業を通じて、そしてさまざまな事件を通じて、「取巻き」が形成され、彼らは(男女問わず)佳城を尊敬したり恋慕するようになるが、それほどこの探偵は魅力的であり、魅力的な探偵は傑作ミステリに欠かせない要素である。 何度もページを繰りたくなる傑作!にもかかわらず満点じゃなく9点?うーん、この佳城をめぐる謎の解決が・・・。これ以上は是非読んで味わってください。 |