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著者 書名 刊行年 刊行国 出版社

2003060009

乙一 死にぞこないの青 2001 日本 幻冬舎文庫

評者:発起人    評価:8    読了日:2003/06/14    公開日:2003/06/15

いじめられ、差別され、排除されることの恐怖

 

  うー、何と作者は1978年生まれだからこの本が出版されたときはまだ23歳で、今でも25歳か!たぶん、おそらく、私が今まで読んだ本の作者の中でいちばん若い!さて、それでこの乙一(おついち)、乙が苗字で一が名前なのか?それとも乙一でひとつの名前なのか?謎だ。

 この作品、小学校5年生のマサオの視点から描かれている。マサオは「とにかく怖がりで、いろいろなことにいつもびくびくしていた。」(p7)そして、「親しくない人とうまく話ができないたち」(p8)で、「少し太っていて、体育は苦手」(p15)。でもマサオも5年生になって大学を卒業したばかりの新しい先生、羽田先生が担任になるまでは、それなりに楽しくやってきたのだ。

 羽田先生は、「若い男の人」(p14)で、「細身で背が高い。」(p14)「趣味は運動をすることと、キャンプへ行くこと」(p15)で「大学で、サッカーをして」(p15)いた。当然生徒や親たちにも評判がいいし、マサオも「羽田先生と仲良くなれたらいい」(p20)と思っていたが、引っ込み思案な性格でなかなかうまく打ち解けることができない。ところが、ある出来事から羽田先生がマサオをクラスをまとめるためのスケープゴートにしていじめ始める。同級生たちも当然マサオより、羽田先生の側につく。マサオにとって八方塞の苦痛の日々が続くが、そんなある日、マサオには、真っ青な男の子(「アオ」)の姿が見え始める。

 子供にとっていちばん怖いものはほんとうは幽霊や怪物じゃないんだよね。大人なんだよ。大人に無視されること、理解してもらえないこと・・・そしてそれだけではなくてその大人が怪物だったら?

 もうずいぶん昔に子供をやっていた私もマサオに感情移入して読んでしまいました。「ホラー界の俊英」という触れ込みだが、「ホラー」嫌いの人にも読める水準の作品だ。(あっ、別にホラーの水準が低いと言いたいわけじゃありませんよ、ね、念の為!)


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