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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
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2003050022 |
エラリー・クイーン |
災厄の町 | 1942 | アメリカ | ハヤカワ・ミステリ文庫 |
評者:発起人 評価:7 読了日:2003/05/31 公開日:2003/05/31
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剛速球から変化球へ?ライツヴィル・シリーズの第一弾!
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クイーンといえば国名シリーズ、そしてドルリー・レーンが探偵として登場するバーナビー・ロス名義で当初刊行されたX,Y,Zの悲劇と「最後の事件」が有名ですが、もちろんたくさんの推理小説を出してきたコンビですからほかにもいろいろあるんですね。本書はライツヴィルという架空の、しかしきわめて典型的なアメリカの田舎町を舞台としてシリーズの第1作目だそうです。出版は1942年で第二次世界大戦の真っ只中。 さすがクイーン、その論理の明晰度は相変わらずすばらしいと思います。でもなんとなく初期の作品に比べると緊張感・密度が薄い。ライツヴィルという舞台を描写するために町に住む人々の「人間模様」を最初に描いておく必要を感じたのでしょうか、剛速球をビシビシ決めていくような迫力はその分薄くなっているように感じます。(まあそれでも打たれなければいいのですが、本作やはり読者のほうが勝つ場合が圧倒的なのではないでしょうか?私は少なくとも100ページぐらいで犯人はわかってしまいました。) ちょっと話題はそれるのですが、やはりひとつの閉じた体系の中で意外な犯人・動機・犯罪方法と謎解きを完璧に展開するのは非常に困難なことなのだと思います。したがってこの「閉じた」町、ライツヴィルで起きた事件の解決のためにはどうしても外部の要素を導入する必要があったのですね。探偵役の「作家」エラリイ・クイーン自体が外部から来た人ですし、この小説でおきる事件、そしてその解決自体を外部の要素に頼る必要があったのだと思います。これは別にクイーンに限らず、完璧な「嵐の山荘」型以外はそうならざるをえないのではないかなどと考えながら、5月最終のご紹介といたします。 |