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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
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2003050016 |
木村敏 |
異常の構造 |
1973 | 日本 | 講談社現代新書 |
評者:発起人 評価:8 読了日:2003/05/14 公開日:2003/05/20
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「異常」と「正常」の意味を哲学的に解き明かす
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著者の木村敏(びん)という人も精神科医。でもどうやって精神病を治療するかというようなタイプの本ではなくて、精神病をそもそも「異常」として排除してきた社会の側の「論理」とは何なのか、精神病者(分裂病)の側の「論理」とは何なのかなどの根源的な問いに答えようとした試みである。そういう意味では、精神医学に興味が無くても、哲学・思想に興味のある人も読んでみる価値がある本だと思う。「正常」、「常識」が「異常」、「非常識」を前提とした論理であるなどの解明には説得力がある。 出版された1973年ごろは、著者も触れているが、「反精神医学」の風潮が大きく吹き荒れていたころだそうで、そもそも精神医学が患者を扱えるのかなどの根源的な問題提起がなされていたらしい。(これは 石川信義 『心病める人たち』でも少し触れられていた。)この本はこの風潮に対する著者の回答でもあり、「多数の分裂病患者たちへの、私への友情のしるし」(p182)、「しょせん「正常人」でしかありえなかったことに対する罪ほろぼし」(同)だそうである。30年前に出版された本だが社会が「異常」に対して示す「過大な好奇心」(p8)はその後ますます増大してきていると思われる現在も読まれる価値のある本だと思う。 |