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感想文番号 |
著者 | 書名 | 刊行年 | 刊行国 | 出版社 |
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2003050001 |
宮部みゆき |
理由 |
1998 | 日本 | 朝日文庫 |
評者:発起人 評価:8 読了日:2003/04/05 公開日:2003/05/19
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不良債権問題の実相を描く遅すぎた直木賞受賞作
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宮部みゆきの遅すぎた直木賞受賞作。バブル崩壊とそれに伴う不良債権問題をこの作家がどう捉えているのか。経済ニュースとして報道されているだけではわからない実相を、バブルのピーク時に作家デビューした宮部みゆきはこの現在進行の貧困問題を見据えてこの作品を書いた。 超高層マンションで起きた一家4人殺人事件の謎が解き明かされていく過程が日本の家族や共同体の崩壊・変質、拝金主義の横行などの病理を浮き彫りにしていく。 「同心円」のようにこの事件に交錯する人々の決して楽観的ではないがすべてが悲劇ではないそれぞれの生き方は感動的でもある。まだまだ捨てたものじゃないじゃないか、日本の庶民、特に若者はね(ちなみに宮部みゆきはティーンエイジャーを描かせるとうまいよね)と思わせるところも多い。悲劇的な事件を描いても希望を持たせる−これがこの作家の人気の秘密だと思う。しかしすでに5年前のこの作品、現実はもっと悪化しているようだからそれでもまだ希望を持ち続けることができるのか、この作家の最新の作品も読んでみたいと思う。(本の山の中には『模倣犯』も積まれているのだが・・・) ミステリーとしてはどうなのか?うーん、やっぱり「本格派」なのかもしれないと最近思い始めた私としては、最後の大どんでん返しというやつをずーっと期待しながら読んでしまうんですね。もちろんこの小説にも謎はあるのですが・・・・。 最初に読んだ「おとなの本」がたしか小学校4年生のときのクリスティ『アクロイド殺人事件』だったという不幸な読書暦を持つ私の悪いくせだとは思うのですが・・・。ということで評点は8点! |