ネタ切れ日記 − 発起人の日記 9 (2003年12月)
12月30日(火) 本の壁をぶち壊せ!?
年末の大掃除をすると私の場合やはり本の整理が最大の課題になる。すでに書棚には入りきらないのはわかっているので、同じぐらいのサイズの本を床に積み上げるという作業が中心になる。これをやると本の壁ができる。しかし本の壁はベルリンの壁と同様いったんできるとなかなか崩せないから壁の素材となった本は結局読まれない本だということになる。
ということは古本屋に引き取ってもらうか、子供たちにオークションの後有償で(?)引き取ってもらうか、あるいは資源ごみになったほうが世の中のためになるではないかという考えがちらちらと去来するのである。えーい、せこいことはやめてこの壁の中の本は自由にお持ちください、でも壁は崩壊させないようにね、と子供たちに呼びかけるか?なにしろ子供たちは一階にいるので家の安定性から言うと本は下に移したほうがいいのである。でもなあ、大江健三郎の初版本とか売って小遣い稼ぎはするなよ〜!(まあヤニはついてるし、日焼けもしてるし、線も引いてあったりするから高くは売れないけどな・・・)
この「本の壁」、どっかの出版社が本にしそうな題名だが(たしか『英語の壁』という本はあった。)、私の場合は物理的な壁なのである。
壁と言えばこの「本の虫クラブ」にとっての最大の壁は、検索エンジン最大手のあの口に出すのも恐れ多い、神聖かつ絶対的な力を持つ「きららきりい」である。大掃除の合間に数えて見ると、現在このサイトには112点の感想文があるが、著者名+題名の検索結果で1ページ目に表示されているのが67点、2ページ目には12点、それ以下(ということは誰もほとんど見る可能性が無いということだが)が33点となっている。うーむ。これぐらいが限界なのか?
12月28日(日) 年末の本屋はけっこうすいている/今週のTop10
今日も恒例の日曜日の本屋探索。けっこうすいていました。みなさん本どころじゃないんですね。でもこういうあわただしい季節にこそ、じっくり、年末の大掃除などから逃れて本を読みたいですね。
さて、今週の週間アクセスTop10、この一年を振り返って的な企画がいろいろなところで行われているせいか1位タイで 矢作俊彦 『ららら科學の子』(2003)が復活。あとの顔ぶれは前週とほとんど同じでした。姿を消したのは前週8位タイのディケンズ 『クリスマス・カロル』(1843)、同じく8位タイだった清涼院流水 『コズミック』(1996)。
12月27日(土) 本の山の造山活動/イラン地震など
捨てる本あれば拾う本あり。昔の本を捨てれば最近集めた本でまだ読んでいない本が新たな山を築き始める。つまり、
集める本>読む本>捨てる本
という関係が恒常的に成立している。
年末の大掃除に伴う造山活動である。山崩れで地震がおきないように気をつけねば・・・、とか気楽なことをいってられないのがイランで起きた大地震。イラン内務省発表によると死者2万人負傷者3万人という。
イラクには「復興支援」のため自衛隊が派遣されるがイランには行かないのだろうか?とはいってもイランが拒否するか?自衛隊以外の国・民間の救援・支援活動は行われるようだし、各国も支援を開始しているという。アメリカ政府はどうなってるのだろうか?うん?人道支援を行う?マジにやってね。
12月24日(水) 日本地図を眺める
クリスマスのプレゼントに、日本地図をもらいました。子供のころから地図を見るのが好きでした。しかもこの地図帳、出身地別芥川賞・直木賞受賞作家一覧とかいろいろ楽しい図がついています。
しかし、実は地図を眺めているだけではなんにもならないんですね。なんてことを言い出すと本を読んでどうなるんだということも言えるわけですが・・・。書を捨てよ!(少しは捨てましたが)町へ出よう!か?でも寒いからなあ!
12月23日(火) また今日も本を捨てた
今日は今年最後の資源ごみ回収日ということで12月9日に続いて本を捨てました!ほとんどは学生時代とかに買って今だに読んだことが無い本ですから多分今後も読まないだろうという本です。この屋根裏部屋の本の山も丘ぐらいになってきたかな。
まあ人生一瞬一瞬が他の多くの可能性を捨ててひとつを選び取ることだとすれば本ぐらいたいしたこと無いよね。
でもお昼ごろ本屋さんに行くとあーなんてたくさん私に買われず読まれないかわいそうな本があるんだろうと思ってしまったのでした。
12月21日(日) 今週のアクセスTop10
さて、今週のアクセス状況は飛びぬけてアクセスの多いものが減って、つまり・・・どんぐりの背比べ状況が復活の気配?
新たにランクインしたのが、いずれも8位タイで、クリスマス・シーズンのためかディケンズ 『クリスマス・カロル』(1843)、清涼院流水 『コズミック』(1996)、そして小川洋子 『博士の愛した数式』(2003)の3作品。
姿を消したのは、前週8位タイだった太宰治 『人間失格』(1948)、同じく8位タイだった山崎豊子 『白い巨塔(四)(五)』(1969)、そして10位タイだった矢作俊彦 『ららら科學の子』(2003)。
さて来週は2003年最後のトップ10ということになりますが、どんなふうになっているでしょう?
12月19日(金) フセインの拘束をきっかけに死刑制度について考える
フセインが拘束されて、この元イラク大統領をどのようにして裁くかについて様々な報道がなされている。この中で私が注目するのは、EUや国連が死刑は適用すべきでないとしていることだ。
私はといえば、フセインに限らず、死刑制度には小学生ぐらいのときから反対である。被害者やその遺族などの身になってみろとか、犯罪抑制ために必要だとかいう意見も承知している。しかし人間の判断は誤りや政治的打算を免れることはできないし、死は不可逆である。国家が公然たる復讐制度(というか制度化された私刑制度)を維持するのはやめたほうがいい。(ユゴーやトルストイをひくまでも無い。)
私がこのフセインをめぐる報道で改めて再認識したのは、世界の多くの国で死刑制度が現実に廃止あるいは凍結されているということである。(EUに加盟するには死刑を廃止していなければならないそうだ。)イラク戦争で国際法のルールはズタズタにされたという話を聞いたことがある。死刑廃止という長い目で見ての方向性を、国際法と同じように後戻りさせるようなことを行ってはならない。
多くは期待しないが、現在の日本政府が政策転換することを希望する。
12月17日(水) 作家の故郷シリーズ27 和歌山
和歌山です。
飯沢匡(いいざわ・ただす、1909-1994)。劇作家、放送作家。『武器としての笑い』(1977、岩波新書)読了。NHKの子供向け番組「ブーフーウー」なども書いていたそうです。
有吉佐和子(ありよし・さわこ、1931-1984)。現在『百人館』にご滞在中。
佐和隆光(さわ・たかみつ、1942-)。経済学者。現在は京大経済研究所所長。『これからの経済学』(1991、岩波新書)を読了。
中上健次(なかがみ・けんじ、1946-1992)。作家。『枯木灘』(1977、河出書房新社→河出文庫、評点8)。
以上4名様でした。
12月15日(月) 今週のアクセスTop10
12月14日付けのアクセスTop10、かなり変動がありました。
Top10に入ったのは、4位に村上春樹 『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(1985)、5位に 養老孟司 『まともな人』(2003)、そして8位タイに 太宰治 『人間失格』(1948)。
姿を消したのが、先週3位のなかにし礼 『てるてる坊主の照子さん』(2002)と9位タイだった川端康成『舞姫』(1951)。『てるてる』が圏外になったのは意外でした。
さて来週はどうなるか?
12月13日(土) 作家の故郷シリーズ26 奈良
京都よりさらに古い日本の都、奈良です。
住井すゑ(すみい・すえ、1902-1997)。作家。『夜あけ朝あけ』(1954、新潮社→新潮文庫)を読みました。
古瀬幸広(ふるせ・ゆきひろ、1960-)。評論家。『インターネットが変える世界』(1996、廣瀬克哉との共著、岩波新書)という本の読了記録有り。インターネットという技術だけでは変わることと変わらないことがあるんですね、やっぱりと最近思います。
というわけで、奈良は滋賀ほどではありませんがやっぱり少なくて2名様で終了です。
12月11日(木) 「このミス」はすでに役割を終えたのか?!
「このミステリーがすごい!2004年版」(宝島社)が出たので買ってきました。「このミス」ベスト3(国内・海外)読破プロジェクトを再開するためです。
国内編のうち3位には伊坂幸太郎 『重力ピエロ』(新潮社)が入っていましたがこれは読了済み。「これはミステリとしては失敗作であると思う」などと私はえらそーに書いておりますが、それなのに3位!
過去の「このミス」の上位ランク作で私が読んだ中で、読んだ当時もそして今も「何でこれが?」的作品はいくつもありました。もちろん好みの問題や豊作・不作の問題があるから当然なのだとは思いますが、だんだん初期のゲリラ的な、「週刊文春」のベスト10とは違うぞー!的な意気込みが薄れてきているようですね。そのことは「このミス」を作っている人たちももう何年も書いてはいるのですが・・・。
「このミス」を書店で買ったのは7日(日)ですが、もうその日にすでに帯に「このミス第X位!」という文字が印刷されている本が何冊もありました。国内編第1位の 歌野晶午 『葉桜の季節に君を想うということ』(文藝春秋)の帯なんかそうですが・・・。
ビジネスだから当然かもしれませんが、出版社、編集者、書店がプッシュしたい作家・作品が上位に選ばれる傾向がますます強まってきているということでしょうか。ほんとうに面白いのに宣伝費があまり使われないで新刊の山に埋もれてしまうような作品を発掘・紹介してもらいたいものです。
そういう「埋もれた名作」は埋もれている限り名作では無いということになるわけですからね。
12月10日(水) 作家の故郷シリーズ25 滋賀
滋賀県までやってきましたっ!
ついに永六輔『大往生』の売上部数を抜いたという『バカの壁』の養老孟司先生は『まともな人』の中で、「マイマイカブリ」の「ミトコンドリア」を調べるとその系統がわかるという話を書いている。
日本列島には全部で6系統の「マイマイカブリ」がいるそうで、「面白いのは滋賀県で、中部、紀伊、中国という三つの系統が、一つの県のなかに混在する。琵琶湖がもともと三つの島の間の海峡だから、こういうことになって当然であろう。」(p152)
なるほど・・・。
そういえばあの司馬遼太郎も日本人を再発見する旅、『街道をゆく』シリーズは実は「湖西のみち」、つまり琵琶湖西岸の道から始めているのだ。記念すべき冒頭の文章を引用しよう:
「近江」
というこのあわあわとした国名を口ずさむだけでもう、私には詩がはじまっているほど、この国が好きである。(引用終り)
・・・さすがである。司馬遼太郎がではなく、そのように司馬遼太郎に言わしめた近江(滋賀県)がである。
さらに戦国時代、この交通の要衝である近江・琵琶湖を掌握するため武将たちは激しい戦いを繰り広げ、織田信長は当時の政治的中心地であった京ではなく、近江の安土に壮大な城と城下町を築いたのである。ついでに言えば信長に背いた明智光秀は琵琶湖西岸・坂本城主であったし、羽柴秀吉も湖北の長浜に城を築いた。また関ヶ原合戦で西軍を率いた石田三成も本拠地を佐和山城(現彦根市)においていたのである。(このあたり、 藤田達生 『謎とき 本能寺の変』(2003)など参照。)
兵どもが夢の跡、というわけで以上、滋賀県を終わります〜っ!うー、私、滋賀県出身の作家、今まで誰一人として読んだ記録がありませんでしたっ!
もし私がこのシリーズを終えるまでに滋賀県生まれの作家の作品を読んだ場合はあとで追加いたしますが、いちおう、マイマイカブリと街道をゆくと戦国時代の話で滋賀県はお開きとさせていただきます。
12月9日(火) 本を捨てる
これは断腸の思いですよ。別に本というモノにこだわることは無いんですけど、私のように記憶力が減退しつつある人間にとっては昔自分が読んだ、あるいは買った本を眺める(たぶんもう読まないとは思いますが)だけで昔のことがよみがえってくるんですね。
しかし人間過去にとらわれ、本の山の中に埋もれてしまうわけにはいかない、家をひっくり返すわけにはいかない(私の主な本置き場は屋根裏のような3階にあります)ということで今朝の資源ごみ回収で本をダンボール箱二箱分ぐらい捨てました。でもまだまだ本が山積みになっているので大掃除をかねて山をいくつか減らして新年を迎えたいと思います。
資源ごみというからには立派に別の紙になってもどってくるんだよ〜っ!
12月8日(月) 作家の故郷シリーズ24 三重
中部圏なのか関西圏なのか曖昧な三重県。松尾芭蕉の故郷でもあります。
江戸川乱歩(えどがわ・らんぽ、1894-1965)。日本ミステリーの父のような存在ですね。現在私が読んだ記録が残っているのは、『江戸川乱歩傑作選』(全9篇が入っていますが、うちいちばん発表の遅い「芋虫」は1929年に単行本入り。春陽堂→新潮文庫)と『孤島の鬼』(1930、改造社→創元推理文庫、評点7)ですが子供の頃に全集を三分の二ぐらい読んだ記憶があります。
太田蘭三(おおた・らんぞう、1929-)。作家。『顔のない刑事』(1979、祥伝社→祥伝社文庫、評点1)。釣りや登山が好きな人のようです。
大橋歩(おおはし・あゆみ、1940-)。イラストレーター、エッセイスト。『いってきまぁす』(1974、日本交通公社出版事業局→集英社文庫)を読了。
美宅成樹(みたく・しげき、1949-)。分子生物学者。『分子生物学入門』(2002、岩波新書、評点8)を読みました。難しかったです。
三重県はこの四名様で終了です。
12月7日(日) 今週のアクセスTop10
あまり顔ぶれは変わりません。でも昨日あたりから「きららきりい」が変わったようなので、来週は上位3位のテレビドラマ組以外がランクインするかもしれません。(ちなみに最近は「きららきりい」が変わると、「んちくらら」も「きらら」も「にみはらといいの」もあわせて変わっちゃうんですね。)
その中で川端康成『舞姫』(1951)が何故か9位タイと健闘。
私の推理では、どこかのパソコン教室、「はじめてのインターネット」で「まずは検索エンジンを使ってホームページを見てみましょう!田中さんなにか見たいページはありますか?」「えっ?そうじゃな、ワシも昔は文学青年だったんじゃ。川端康成の舞姫という小説知っとるかのう?ごほごほっ!」「はい、いいですね、それではこの検索ページに「かわばたやすなり」、スペース、「まいひめ」でいれてみましょう!みなさん入りましたか?「マイ姫」とかヘンな変換しちゃだめですよ!」「おおっ!いっぱい出てきたよ、むー、834件!」「それではいちばん上のページから見てみましょうね。」「ん?本の虫クラブ?えらそーなこと書いとるのー。」「別のページも見てみましょうね。」てなことが起きた!
私の推理2−。どこかの衛星放送かCATVで成瀬巳喜男監督の川端康成原作、映画『舞姫』(1951)が放送されてそれを見た人が検索エンジンを使った。
推理3−。どこかの大学で川端康成『舞姫』が取り上げられて、レポートを書く必要に迫られた学生たちが検索エンジンを使った。
どの推理でもいいんですが・・・。
12月5日(金) 作家の故郷シリーズ23 福井
かなり地味な感じのする福井県。作家ではどうなのか?
水上勉(みずかみ・つとむ、1919-)。直木賞受賞作『雁の寺』(1961、文藝春秋新社→新潮文庫、未読)をはじめ著書多数。でも私が読んだのは『五番町夕霧楼』(1963、文藝春秋新社→新潮文庫)1冊です。現在も網膜剥離などの病と闘いながら執筆されてます。
藤田宜永(ふじた・よしなが、1950-)。作家。日本推理作家協会賞受賞作『鋼鉄の騎士』(1994、新潮社→新潮文庫、評点2)を怒りながら?読んだ記憶があります。『愛の領分』(2001、文藝春秋、未読)で直木賞。夫人は直木賞作家の小池真理子で初の夫婦受賞だそうな。
殊能将之(しゅのう・まさゆき、1964-)。作家。『ハサミ男』(1999、講談社ノベルス→講談社文庫、評点9)を読了。これはおもしろかった!メフィスト賞受賞作でデビュー作。
舞城王太郎(まいじょう・おうたろう、1973-)。作家。経歴不詳。『煙か土か食い物』(2001、講談社ノベルス、評点6)でデビュー。これもメフィスト賞受賞作。『暗闇の中で子供』(2001、講談社ノベルス、評点9)も面白かった。
そういえばそろそろ「このミス」が発売される季節ですね。たしかこの日記で過去の「このミス」ベスト3を全部読破するとかいうプロジェクトを発表しましたが、今や風前の灯状態。発売されたらまずは最新のベスト3から読んでいくことにしよう。
あ、福井県は以上4名様でした。
12月4日(木) 作家の故郷シリーズ22 石川
金沢がある県として、また能登半島があるところとして、また松井秀喜選手を生んだところとして有名な石川県。
西田幾多郎(にしだ・きたろう、1870-1945)。哲学者。京大教授などをつとめ、いわゆる京都学派の創始者として知られています。その哲学が「西田哲学」と呼ばれるぐらい有名な人。なにしろこの人が散歩した道が「哲学の道」と呼ばれるようになったぐらいです。『善の研究』(1911、弘道館→岩波文庫)はなんとか読み通しました。
泉鏡花(いずみ・きょうか、1873-1939)。作家。『歌行燈』(1910、岩波文庫所収)、『高野聖・眉かくしの霊』(「高野聖」は1900年、「眉かくしの霊」は1924年作。→岩波文庫)を読了。
室生犀星(むろう・さいせい、1889-1962)。詩人、小説家。岩波文庫の『或る少女の死まで 他二篇』(1919)を読了。
年代的にはぐっと飛んで、桐野夏生(きりの・なつお、1951-)。作家。『OUT』(1997、講談社→講談社文庫、評点9)。『柔らかな頬』(1999、講談社、未読)では直木賞、『グロテスク』(2003、文藝春秋、未読)では泉鏡花文学賞も受賞しています。
唯川恵(ゆいかわ・けい、1955-)。『さよならをするために』(1989、集英社→集英社文庫、評点4)。『肩ごしの恋人』(2001、マガジンハウス、未読)で直木賞受賞。
・・・と以上5名様。人数は少ないけど多彩な顔ぶれでした。
12月3日(水) 作家の故郷シリーズ21 愛知
あー、どういうわけか21からは○で数字を囲むことができなくなりました。20以下でもウェブ上で見るとそのように表示されていない場合もあったようですが・・・。さて、愛知です。
谷川徹三(たにがわ・てつぞう、1895-1989)。哲学者。法政大総長などを務めた。『哲学案内』(1964、日本経済新聞社『哲学と文学への三つの案内』の一部→講談社学術文庫、評点7)。
家永三郎(いえなが・さぶろう、1913-2002)。歴史学者。名古屋市生まれだが父が職業軍人だったため、熊本→大阪→佐賀→東京と転居、愛知県にいたのはほんの数ヶ月らしい。東大卒。東京教育大→中央大教授を歴任。3次にわたる教科書裁判の原告として有名。『日本文化史 第二版』(1982、岩波新書)を読みました。最近読んだ 養老孟司 『まともな人』(2003、中公新書、評点8)の中には教科書検定のことが取り上げられていて、養老先生は、「結論をいうなら、検定が悪い。あんなものを戦後やめてしまえば、家永裁判も今度の教科書問題も、どちらもなかったと信じる。」(p41)と書いているが、私も全面賛成する。
城山三郎(しろやま・さぶろう、1927-)。作家。直木賞受賞作『総会屋錦城』(1959、文藝春秋新社→新潮文庫、評点7)、『素直な戦士たち』(1978、新潮社→新潮文庫)、『勇者は語らず』(1982、新潮社)を拝読。
中村哲(なかむら・さとる、1931-)。経済学者。『奴隷制・農奴制の理論 マルクス・エンゲルスの歴史理論の再構成』(1977、東京大学出版会)という本を読みました。これは大学の教科書ですね。
辻真先(つじ・まさき、1932-)。作家。名大卒。NHKに入局。脚本家。フリーになった後もアニメ番組などで脚本を書く。うーむ、日本の(当時の)少年少女はこの人の脚本のアニメを見て育ったと言っていいほど。私が読んだのは、(これは小説ですが)『ブーゲンビリアは死の香り−シンガポール3泊4日死体つき−』(1984、新潮文庫)。
宮城谷昌光(みやぎだに・まさみつ、1945-)。中国歴史に題材を取った小説が多いようです。なにしろ私は、『花の歳月』(1992、講談社→講談社文庫、評点6)しか読んでないので・・・。でも今や書店の時代・歴史モノの一角にはこの人の本が山積みになっていますね。
名古屋を題材(ネタ)にして小説家になった?清水義範(しみず・よしのり、1947-)。いやそれだけじゃありませんがもう一歩メジャーになれない感がありますね。がんばれっ!
西谷修(にしたに・おさむ、1950-)。東京外大院教授。『戦争論』(1992、岩波書店→講談社学術文庫、評点9)。
大沢在昌(おおさわ・ありまさ、1956-)。『新宿鮫』(1990、光文社カッパ・ノベルス)、『毒猿 −新宿鮫 U-』(1991、光文社カッパ・ノベルス)、『B・D・T 掟の町』(1993、双葉社→双葉文庫)を読みました。
森博嗣(もり・ひろし、1957-)。『すべてがFになる THE PERFECT INSIDER』(1996、講談社→講談社文庫、評点6)だけですが・・・。これがたしか第一回メフィスト賞受賞作。本職?は国立N大工学部助教授。
平野啓一郎(ひらの・けいいちろう、1975-)。作家。京大在学中の芥川賞受賞作『日蝕』(1998、新潮社→新潮文庫、評点5)を読了。愛知にいたのは幼少のころまでだそうです。
以上11名様で愛知県は終了。
12月2日(火) 作家の故郷シリーズS 岐阜
イラクでの日本人外交官殺害事件、足利銀行の破綻・国有化、消費者金融最大手武富士の会長逮捕などいろいろな事件がありましたが、私は作家の故郷を辿り続けます。
昨日の富山に引き続いてここも楽です。
今村仁司(いまむら・ひとし、1942-)。現在東京経済大教授。『現代思想の系譜学』(1986、筑摩書房→ちくま学芸文庫、評点10)という本を読みました。どんな本だったか?評点10をつけているのにあんまり覚えていない。今ペラペラめくってみると、現代フランスの思想家たちの紹介をしている本でした。フーコー、ドゥルーズ、リオタール、バルト、ベンヤミン、クリステーヴァ、セーラ等々。
森省二(もり・せいじ、1947-)。精神科医。愛知みずほ大学人間科学部教授。『逸脱するエロス』(1990、講談社現代新書)を読了。
以上2名様をご紹介しました。坪内逍遥、小島信夫、森田草平など他の岐阜県出身作家のみなさんの作品もそのうち・・・。
12月1日(月) 作家の故郷シリーズR 富山
かつての大ベストセラー作家、源氏鶏太(げんじ・けいた、1912-1985)。サラリーマン生活を経て1956年から専業作家に。映画化作品多数。『鬼の居ぬ間』(1955、新潮社→新潮文庫)を読了。
堀田善衛(ほった・よしえ、1918-1998)。『広場の孤独』(1951、中央公論社→新潮文庫、評点9)。これはたしか芥川賞受賞作。
というわけで富山出身の作家は、ちょっとさびしいが以上2名様です。